ダイレクトマーケティング課題の救急治療室

通信販売を始めとした、ダイレクトマーケティングの課題解決には、改善のため早急に適切なサポートを必要とします。その現場は、救急救命室さながらです。このコラムでは、今の通販業界の実情や、手遅れにならないためのアドバイスなど、読みながら学べるコンテンツをお届けします。

永瀬晃大朗

第1回:ふだん読んでいる雑誌について教えて下さい!

はじめまして、株式会社うるるの志村と申します。
弊社では10万人の主婦から商品やサービスについての
意見、感想をリサーチできるマーケティング調査サイト
「暮らしの根っこ」を運営しています。
「暮らしの根っこ」で実施した主婦の意識についてのリサーチ結果を
こちらのコラムにてご紹介させて頂きますので、よろしくお願い致します。

今回は第一弾としまして30代~40代の主婦に「普段読んでいる雑誌」について
調査を行いました。

■タイトル:“500人の主婦に聞く” 雑誌に関する意識調査
■調査方法        
    インターネット調査法    
   暮らしの根っこ (運営:株式会社うるる) 使用    
■調査期間        
    2014年05月21日 16時00分~2014年05月23日 00時00分    
■対象者条件        
   ・年代:30代~40代
   ・性別:女性
   ・収集サンプル数:500件

ID1.あなたがふだん読んでいる雑誌のジャンルを教えて下さい
(複数回答可)

※図をクリックすると別ウィンドウで拡大します

「家庭情報誌」「女性ファッション誌」に多くの支持
「家庭情報誌」が130件、「女性ファッション誌」が116件と、ともに100名以上の方から選択されました。
生活の知恵やファッションについては多くの方にとって共通の関心事であるといえるのかもしれません。
次いで「クーポン系のフリーペーパー」が67件、「総合系のフリーペーパー」が45件となっており、
フリーペーパーの存在感が大きくなっています。
「地域情報紙」が42件、「総合週刊誌」が34件、「旅行情報誌」が27件、
「健康情報誌」が23件、「マネー情報誌」が18件、「コミック誌」が18件と
個別の興味・関心に応える媒体が評価されています。
「求人情報誌」が18件、「ビジネス誌」が16件、
「不動産系のフリーペーパー」が12件、「育児情報誌」が9件と
実用系のジャンルが続きました。

ID2.あなたがふだんチェックしている(買う・買わないにかかわらず)
雑誌のタイトルを1つ教えて下さい
(複数ある方はもっともよく読むものを1つ選んで下さい)
※図をクリックすると別ウィンドウで拡大します

「家庭情報誌」「女性ファッション誌」が上位を占める
「オレンジページ」「サンキュ」「ESSE」「Mart」の家庭情報誌が1位~4位を占めており、
生活に関する情報を求める傾向が強いことが窺えます。
次いで「MORE」「VERY」「STORY」とファッション系の雑誌が並んでいます。
次いで女性向けビジネス誌の「日経WOMAN」がランクインしており、
女性向けビジネス誌のパイオニアとしての地位を確立していることが分かります。

ID3.あなたがその雑誌をチェックする理由を教えて下さい
(複数回答)


“参考とする”“実用性”など自分にとっての有用性を求める傾向あり
「参考になるから」「実用的だから」という理由が上位を占めました。
次いで「自分に合っているから」「趣味に合うから」「記事が面白いから」「情報量が多いから」
「習慣になっているから」となりました。
「付録やプレゼントが魅力的だから」という理由は少数派となっており
“モノ”ではなく自分の志向にあったものを選ぶ傾向が見て取れます。

ID4.あなたがデジタル版で読んでいる雑誌を教えて下さい
(複数ある方は最もよく読むものを1つお選び下さい)

デジタル版の普及はこれから。85%以上の人が「デジタル版の雑誌は読まない」と回答
「レタスクラブ」が14件、「STORY」が12件、「美的」が9件、「ELLE」が6件、
「MORE」が6件、「LEE」が5件、「BAILA」が4件、「Oggi」が3件、
「Domani」「AneCan」が1件という結果となりました。
427件が「デジタル版の雑誌は読まない」と回答していますが
“タブレットなど電子ブックリーダーの普及” や “デジタル版媒体の増加” により
この数値は急激に変化する可能性が高いので、今後も注視する必要があります。

ID5.過去1年間で雑誌広告を見て購買した商品・サービスはありますか?


雑誌広告を見て購買経験があるのは10%
この1年間に雑誌広告を見て購買した経験がある人は約10%でした。
家庭情報誌、ファッション誌を中心にチェックしているアンケート対象者層が多かったため、
基本的には通販企業のレスポンス広告ではなくブランディング広告が中心になる中で、
その雑誌広告を見て購入するアクションする読者がかなりいるように思えます。
よりまして、このような読者に対して何かアクションに繋がるような仕掛けを設けることにより、
更に購買が増加する可能性があると感じました。

ID6.その商品・サービスを購入した理由を教えて下さい(複数回答)


雑誌広告によって“購入を促進される”ケースあり
購入した理由としては「前から検討していたものだから」が最も多く、
雑誌広告が消費者への想起する効果に有効であることを示しているといえます。
次いで「ビジュアルに惹かれたから」「キャッチコピーが共感できたから」となっており、
雑誌広告のクオリティーが消費者の購買行動に影響を及ぼすことを立証しています。
以下「値引きキャンペーンがあったから」「プレゼントなど購入者向けの特典があったから」
「お試しだから」と、メリット訴求についても一定の効果が見込まれる結果となりました。

<最後に>
今回、「“500人の主婦に聞く” 雑誌に関する意識調査」を実施してみました。
調査結果の中で特に興味を引いたのが「雑誌広告を見て商品・サービスを購買した理由」です。
雑誌広告から購買につながる理由が、

・前から検討していた→想起型
・ビジュアルやキャッチコピーに惹かれて→憧憬型
・値引きなどのお得感につられて→実利型

の3パターンに分類される結果となりました。
このいずれかを意識した広告体裁とすることで、より効果の高い広告となるのかもしれないと改めて感じました。

また、今後大きな変化が見込まれるデジタル版については
定期的なモニタリングによりその変化動向を継続して把握していきたいと考えています。

次回以降も様々な角度から主婦の意識についてレポートさせて頂きます。

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