スマフォ広告、2012年市場規模は前年比343%の856億 今年は1000億突破と予測

株式会社サイバーエージェントの連結子会社である株式会社CyberZは、株式会社シード・プランニングと共同で、スマートフォン広告市場動向調査を実施、その調査結果を発表した。2017年までのスマートフォン市場規模推計ならびに予測結果(*1)は以下のとおり。

(以下、調査内容)

■市場背景
2011年、スマートフォン端末の普及台数は3,000万台を突破し(*2)、スマートフォン
経由でのインターネットサービスの利用が拡大。これに伴い、スマートフォン上で提供される情報サービス・アプリのプロモーション需要も急速に拡大。2010年後半から2011年にかけてインターネット広告会社の多くが、スマートフォン向け広告サービスの提供を開始しサービスの拡充を進めた結果、スマートフォン広告市場が本格的に形成された。2011年のスマートフォン広告市場規模は249億円と推計される。

■2012年のスマートフォン広告市場規模推計
2012年のスマートフォン広告市場規模は856億円(前年比343.8%)。2012年には、
スマートフォン端末の普及台数が4,000万台を突破。従来、PCやフィーチャーフォン
向けサービスを提供していた事業者が、スマートフォンでのサービス展開を本格化、
スマートフォン上でのプロモーション需要が急速に拡大。
またこれに合わせてPCインターネット広告やフィーチャーフォン広告を取り扱って
きた広告事業者によるスマートフォン広告市場への参入が相次ぎ、スマートフォン
広告商品の提供拡大が進んだ。これらを受け、スマートフォン広告市場は成長を遂げ、2012年の市場規模は856億円、前年比343.8%と推計する。

■スマートフォン広告商品別市場規模推計
2012年の商品別広告市場規模は、リスティング広告534億円(構成比62.4%)、ディスプレイ広告210億円(構成比24.5%)、成果報酬型広告112億円(構成比13.1%)
2012年のリスティング広告市場規模は534億円(前年比395.6%)と大幅に拡大した。
主にEC、金融、不動産、人材・教育、交通・レジャー向けサービス等の広告主におけるプロモーション需要拡大が影響。ディスプレイ広告の市場規模も、210億円(前年比269.2%)と拡大、ゲームや電子書籍などのコンテンツや、不動産、旅行等の情報サービスを提供する事業者などのプロモーション需要拡大が影響しました。また、同市場においては、複数媒体やアプリに対して一括で広告配信するアドネットワークの需要が全体の8割以上と大きな割合を占める一方で、ソーシャルメディアの新たな広告商品の登場等が市場規模拡大に寄与した。
成果報酬型広告は、ゲーム会社や情報サービス提供事業者などのプロモーション需要により増加し、2012年の市場規模は112億円(前年比311.1%)となった。

 

■2013年のスマートフォン広告市場規模予測
2013年のスマートフォン広告市場規模は1,166億円(前年比136.2%)。2013年は、引き続きスマートフォンユーザーや情報サービスの増加、ならびにスマートフォン広告商品の拡充が進むことが見込まれる。これを背景に2013年のスマートフォン広告市場規模は1,166億円、前年比136.2%と予想。

■ スマートフォン広告市場の今後
スマートフォン広告において中長期的には、各デバイスの特性を生かした広告商品が生まれる一方で、検索連動型広告のように、デバイスを問わない配信形態をとる広告商品がさらに増えていくことも予想される。O2O領域、あるいはGPSによるユーザーの位置情報を活用した広告商品など、ユーザーに最も身近なデジタル端末ならではの特徴を生かした広告商品が生まれることが期待される。

このような、スマートフォンならではの新しい付加価値を持つ広告商品が多数登場し、
新しい広告主層を取り込むことを前提に、スマートフォン広告市場は2014年以降も
高い成長水準を維持し、2016年には2,000億円規模に達し、また5年後の2017年には
2,200億規模に達すると予想される。

(*1) 本調査は、スマートフォン広告業界関連事業者へのヒアリング調査
   ならびに公開情報、調査主体およびシード・プランニングが保有する
   データ等を参考に実施。広告主の年間スマートフォン広告出稿額を推計し、市場規模を算出。
   (対象期間:1-12月)
(*2) スマートフォン端末の普及台数は、年度計算にて算出。シード・プランニング調べ

※調査概要
 調査主体:株式会社CyberZ
 調査時期:2012年12月から2013年2月
 調査方法:スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに
 調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
 調査対象:スマートフォン広告市場ならびに関連市場
 調査機関:株式会社シード・プランニング