ニッピ、2024年3月期決算は増収増益 コスト上昇分の価格転嫁などが奏功

株式会社ニッピは、2024年3月期通期の連結業績(2023年4月1日~2024年3月31日)を発表した。
 
【連結経営成績】
売上高   :490億4600万円(前期比 9.5%増)
営業利益  :36億1200万円( 同 145.5%増)
経常利益  :37億4000万円( 同 140.8%増)
当期純利益 :25億4800万円( 同 117.8%増)
 

同連結会計年度は、原材料費、動力費、運賃、輸入為替などのコスト上昇分の一部を価格に転嫁出来たことにより、全体の売上高、営業利益率が改善され増収増益となった。
 
コラーゲン・ケーシング事業の国内販売は、経済活動の正常化により全国的にイベント等が増加したことを追い風に、フランクサイズや着色素材が好調に推移。一方で、輸出販売は、東南アジア向けが好調に推移したものの、北米向けは厳しい市場競争に苦戦した。利益面については、電力、動力費などに対する政府の補助があったこと、生産が順調であったこと、輸出運賃が大きく減少したことなどによりコストダウンとなり、大幅な増益となった。この結果、事業売上高は94億9700万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は9億6900万円(同155.5%増)となっている。
 
ゼラチン関連事業は、経済活動の正常化と継続する高い健康志向を背景に、カプセル、食品向けを中心に好調に推移。ペプタイド部門は、輸出向けが価格競争による影響で減少したものの、国内向けは好調なインバウンド需要を背景に健康食品用途を中心に好調に推移した。利益面については、製造コスト上昇に伴う収益性の悪化に課題を抱えていたが、段階的に取組んできた価格改定の効果もあり営業利益率がコロナ禍前の水準まで回復。この結果、事業売上高は139億2300万円(同13.5%増)、営業利益は15億9700万円(同130.5%増)となった。
 
化粧品関連事業の化粧品部門においては、コロナ禍が明けて消費行動が実店舗へ回帰傾向にあり化粧品の通信販売市場に企業間格差が生じる中、2023年秋に新商品を発売。ブランド認知度の向上と新規顧客の獲得に努め順調に推移した。健康食品部門は、引き続き高い健康志向を背景に好調に推移した。この結果、同事業の売上高は75億8800万円(同16.0%増)、営業利益は10億4200万円(同19.5%増)となっている。
このほか、皮革関連事業、賃貸・不動産事業と食品その他事業も増収増益だった。
 
〈今後の見通し〉
2025年3月期の連結業績見通しは、売上高490億円、営業利益30億円、経常利益30億円、当期純利益20億円を見込んでいる。
 
■リリース
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120240430579684.pdf