サイバーエージェント、動画広告特化「オンラインビデオ総研」設立 動画広告の利用状況調査を発表

株式会社サイバーエージェントは、動画広告市場の発展に寄与することを目的に、その関連する調査を行う専門組織、オンラインビデオ総研を設立した。
その第一弾調査として、株式会社シード・プランニング デジタルインファクトと共同で、国内大手企業の動画広告の利用動向に関するアンケート調査を行った。

オンラインビデオ総研を設立することにより、広告主企業に対して、投資効果が見込める動画広告の活用方法を提供、ユーザーに対しては、より良い動画広告体験の提供を行っていく。

なお、オンラインビデオ総研の第一弾調査として、広告主の利用動向や今後の普及に向けた課題をより正確に把握し、プロモーション効果の高い動画広告の提供を行うことを目的に、国内大手企業の動画広告の利用動向に関するアンケート調査を実施した。

【1】大手広告主企業の動画広告の出稿率
・調査対象である大手広告主において、
動画広告を利用している企業の比率は2014年時点で20%、昨年対比211%と出稿率が急増。
・2015年の出稿率は37.8%を見込み、今後も更なる成長が続くと予測。

<見解>
2012年以降、昨年対比167%、211%と高い成長率を維持しており、2015年は昨年対比189%となる出稿率37.8%を見込んでいる。このままのペースで2016年も推移すると、全体の出稿率が50%を越え、大手広告主企業にとって動画広告は、より身近な存在となる。

 

【2-1】動画広告の出稿目的
・動画広告を出稿している企業のうち、商品・サービスの「認知獲得」を出稿目的とする
大手広告主企業が全体の91.7%に該当。
・続いて、商品・サービスを訴求する「Webサイトへの誘導」が、全体の50.0%に該当。

<見解>
商品・サービスの「想起の獲得」、「詳細理解の促進」は、ブランディング広告に多いKPIである一方、商品・サービスを訴求する「Webサイトへの誘導」「Webサイトからの購買促進」は、ダイレクト広告に多いKPIとなる。
全体の約9割に該当する、商品・サービスの「認知獲得」は、ブランディング広告・ダイレクト広告に関わらず、動画広告ならではの共通の指標として、一般的に認識されており、出稿目的が多様であることも特徴の一つだと考えられる。

 

【2-2】動画広告を出稿しない理由
・動画広告を出向したことがない企業のうち、「効果が未知数」のため広告出稿を
躊躇している大手広告主企業が全体の48.1%。
・続いて、「自社商品・サービスの訴求先として適切ではない」と考えている企業が32.1%。

<見解>
「動画広告の効果が未知数」という回答が48.1%。それは、動画広告を評価するための効果指標が業界内で統一されておらず、各媒体によって効果指標がばらばらであることが主要因であると考えられる。
また、前項【2-1】の「動画広告の出稿目的」が、ブランディング広告に多いKPIとダイレクト広告に多いKPIの2種類に分かれていることも、効果の判断が難しいと思われている要因の一つだと思われる。

 

【3】2015年の動画広告予算の予定
・現在、動画広告を出稿している大手広告主企業のうち、
2015年の予算を「増やす」との回答は全体の36.8%。「同等」が21.1%。
「増やす」「同等」の回答は、全体の57.9%を占め、約6割が前年出稿額以上の出稿を予定。

<見解>
前項の【1】「大手広告主の動画広告の出稿率」においても、出稿率は大幅に伸びている。出稿率に加え、「出稿額」においても今後順調に増えていくと見受けられ、出稿率と出稿額が共に伸びている動画広告の市場は、今後も更なる市場規模に成長すると見込まれる。

 

【4】動画広告のクリエイティブ
・Web向けに新たにクリエイティブ制作を行うケースが最も多く、全体の54.2%に該当。
・動画広告出稿時のクリエイティブは、テレビCM素材をそのまま流用するケースは少なく、
全体の約75%が、独自にクリエイティブ制作を行っている。

<見解>
Web向けにクリエイティブを制作する広告主は全体の75%で、テレビCMの素材をそのまま使用せず、Web向けに合った独自のクリエイティブを使用し、動画広告ならではの効果を高める動きが見受けられる。
広告主からの制作ニーズは今後も高まっていくため、広告代理店や制作会社は、コストパフォーマンスを意識したWeb向けのオリジナル素材の制作体制を充実させていく流れになると予想。

 

なお、本調査に関する、サイバーエージェント オンラインビデオ総研の見解は以下。

「2014年動画元年」といわれ、動画広告の出稿率は急増していますが、翌2015年も引き続き広告出稿率の成長は著しいです。このままの伸張で推移すると、2016年の広告出稿率は50%を越え、動画広告はより身近な存在となるでしょう。

動画広告の出稿目的は、商品・サービスの「認知獲得」が9割を占める一方で、ブランディング広告・ダイレクト広告によっても目的が異なり、足元の課題として、「効果指標が未確立」ということが挙げられます。各媒体で効果指標の定義が異なっており相互比較が難しい状況なことに加え、動画広告内だけでなく、テレビCMとの効果比較も必要とされています。そのため、早急な効果指標の確立(統一)が求められます。

オンラインビデオ総研では今後、広告主の出稿目的に応じたKPIの共通化、広告評価指標の整備を推進してまいります。その上で、広告配信の運用体制も整え、より良い動画広告を広告主のみなさまに提供し、動画広告市場の健全な発展に尽力してまいります。