電通と富士通、ビッグデータ活用したマーケティング領域事業で協業

株式会社電通と富士通株式会社は、ビッグデータを活用したマーケティング領
域の事業で協業していくことについて合意したと発表した。

同社は、ビッグデータ時代に対応した顧客企業のマーケティングプロセス全体をサポートするため、クラウドを活用した統合型のマーケティングソリューションを担う「マーケティング・クラウド」プラットフォーム※1 の構築を推進している。昨年 12 月には本プラットフォームのオープン化を公表し、IT ソリューション領域などパートナー企業との連携を進めており、このたび、本プラットフォームの重要な領域のひとつであるビッグデータを活用したマーケティング領域の事業において、富士通をパートナー企業のひとつとして協業していくことに決定した。

今後両社は、電通の「マーケティング・クラウド」プラットフォームとマーケティング・デザイン力、富士通のITを駆使した大量データの利活用に関する知見や技術力を融合し、顧客企業のマーケティング活動最適化や新しいビジネスの創出を支援していく。

両社による協業の概要は以下のとおり。

■協業の概要
1.共同コンサルティングサービスの提供
電通と富士通は、共同で下記の3つのコンサルティングサービスを提供する。なお、
本サービスは本年 7 月からの提供を予定。

① マーケティング・デザイン
顧客企業が所有する業務データとセンサーデータ、オープンデータなどの外部データ※2
を統合的に分析し、企業全体のマーケティングプロセスの革新につなげるプログラム。消費者インサイトの深掘りによる新たな課題発見から、リアルタイムな戦略立案、費用対効果の高い施策実施までをワンストップで行う。

② 事業開発プロデュース
ビッグデータを活用した新事業の開発を推進するコンサルティングプログラム。データ保有社とサービス事業社のマッチングにも対応し、異業種連携によるイノベーションの実現を目指す。

③ 導入ワークショップ
マーケティングや情報システム部門など、顧客企業の複数部署を横断して実施するプロ
グラム。社内の各関連部門の参加によりマーケティング活動やサービスにおける課題や取り組むべきテーマを抽出し、それに基づきマーケティングプロセスの全体像を構築することでビッグデータを最大限に活用できる体制を整備する。

2.サービスの共同開発
電通と富士通は、両社の強みを生かした新たなサービスを開発し、それを提供していくことで、顧客企業のマーケティング業務の革新に貢献する。
第1弾として、富士通が収集するセンサーデータをマーケティング活動に利活用するサービスの提供を開始する。具体的には、株式会社ビデオリサーチの協力のもと、同社の調
査パネルがスマートフォンで手軽に肌状態をチェックできる富士通のクラウドサービス
「肌メモリ」※3 を定期的に活用することで、パネル自身の肌データをクラウド上に収集する。同時に、パネルの日々の生活行動や利用している美容系・健康系食品に関するアンケートを収集し、肌データとの組み合わせによるマーケティングデータを提供する。
本サービスにより、これまで簡易かつ安価には収集できなかった、日々の肌状態と生活習慣との関連性データの利用が可能になる。また、特定のターゲットに関するインサイ
ト情報として活用いただくことで、商品やサービス開発における革新をサポートする。

さらに、これらのデータは情報発信力を高める学習データとしても使用できる。
今後は「マーケティング・クラウド」プラットフォームのオープン化を進め、IT ソリューション領域などのパートナー企業と連携して、顧客企業の事業の成功に資するサービスの提供を目指すとのこと。

※1 マーケティング・クラウド
顧客企業のマーケティングプロセス全体をサポートする、クラウド・コンピューティングを活用した統合型マーケティングソリューションを提供するプラットフォーム。

※2 外部データ
富士通はマーケティング業務で活用できる外部データ活用サービスを提供する。すでに提供中の「ソーシャルメディア分析ツール」に加え「地域特性情報」「企業顧客マスタ一元化支援」の提供を予定。

※3 肌メモリ
スマートフォンのカメラで撮影した肌画像から、シミ・毛穴・色の状態を測定する機能をクラウドで提供し、手軽に肌状態をチェックできるサービス。