KADOKAWA、2021年3月期決算は書籍返品率が良化し大幅な利益増

株式会社KADOKAWAは、2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)を発表した。

【連結経営成績】
売上高   :2099億4700万円(前年同期比 2.6%増)
営業利益  :136億2500万円( 同 68.5%増)
経常利益  :143億6900万円( 同 63.5%増)
当期純利益 :95億8400万円( 同 18.4%増)

出版事業については、書籍市場全体で需要が高まっていることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の環境下においても新刊点数を前期並みの水準に維持したことや、返品率が大幅に良化したことが収益に貢献。電子書籍・電子雑誌は、市場全体が伸長していることに加え、積極的なマーケティング施策により引き続き好調に推移し、第3四半期に引き続き、第4四半期も四半期ベースで過去最高の売上高を更新した。
この結果、事業売上高は1295億7600万円(前年同期比10.5%増)、セグメント利益は128億4100万円(前年同期比105.5%増)となった。
映像事業については、アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」「ひぐらしのなく頃に 業」「デカダンス」「くまクマ熊ベアー」等の海外権利許諾収入に加え、「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」「このすばらしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」等、アニメIPの他社活用等による国内権利許諾が引き続き収益貢献した。一方で、コロナ禍による映画館の席数制限や時短営業などのマイナスがあり、事業売上高は313億1400万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益は22億7400万円(前年同期比7.1%増)となった。
ゲーム事業では、「ポケモン不思議のダンジョン救助隊DX」「SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE」「DARK SOULS」シリーズ等のリピート販売および海外権利許諾に加え、共同・受託開発事業も収益に貢献。事業売上高は166億3600万円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益は27億4400万円(前年同期比114.6%増)となった。
Webサービス事業については、「ニコニコ」の月額有料会員(プレミアム会員)が本年3月末には153万人となり、前年3月末の163万人からは減少したが、「ニコニコチャンネル」の有料会員数が前年3月末の117万人から本年3月末に119万人に増加したことで、前年並みの売上を維持した。一方、コロナ禍で複数のリアルイベント開催を見送ったことなどで、事業売上高は220億800万円(前年同期比11.0%減)、セグメント利益は20億9600万円(前年同期比24.8%減)となった。
[その他事業]
その他事業の売上高は174億6300万円(前年同期比10.4%減)、セグメント損失はマイナス44億9100万円(前年同期損失マイナス25億8300万円)だった。