凸版印刷とベルシステム24、デジタルカスタマーサービスの共同開発に着手
凸版印刷株式会社と株式会社ベルシステム24ホールディングスは、口コミからチャット、購買行動まで顧客の声を統合解析することで顧客ごとに最適な顧客体験の設計・提供を可能にする、デジタルカスタマーサービスの共同開発に着手し、2018年10月より提供を開始する計画を発表した。両社は、この新しいデジタルカスタマーサービスの共同開発に向け、両社の専門部門による横断的なプロジェクトチームを2018年6月より新たに編成する。
同サービスは、口コミ、コールセンター、チャット接客、店頭購入など、顧客との対話や行動をデータ化し、統合・解析することで、顧客ごとに最適な顧客体験を設計・提供することを可能にするもの。両社が持つ「ソーシャル解析」「VOC(Voice of Customer)解析」「WEBチャット接客」「WEBキャンペーンASP」などのソリューションを組み合わせ、顧客のWEB行動や購買行動と、デジタル/リアルでの対話情報を解析データへ変換。AIによる解析と専門家によるデータ分析を活用し、顧客を深く理解することで、個々のニーズにあった顧客体験を設計・提供するできるようになり、顧客が求めるタイミングにあわせて、最適なチャネル(コール、チャット、メール、DMなど)で、パーソナライズされたメッセージを送ることで、最適な顧客体験を実現する。
このように、顧客ごとの体験価値を高めることで、商品やサービスの利用が長期化するコアなファンを育成できるとともに、好意形成を促す口コミを拡散することが可能となるという。
現在、AIやIoTなどの浸透により顧客接点のデジタル化が急速に進んだことで、購入/契約に至るプロセスにおいて、様々な顧客の声や製品の検討/購買行動がデータ化されるようになっている。より良い顧客体験を提供するために、パーソナライズされた情報発信や、顧客ごとの最適な接客対応ニーズが高まっているが、これら顧客の声や行動データは分散して管理されていることが多く、その活用は十分には進んでいないという状況がある。
凸版印刷はオウンドメディアやECなどのデジタルマーケティング支援、決済・ポイントシステム支援など、購買促進やロイヤリティ強化の領域でデータ運用を、またベルシステム24は、コンタクトセンター運用を通じて、電話対応やWebチャットなど顧客接点領域でAIと人間で最適化されたサービスを提供している。
両社はそれぞれの領域での経験、強みを組み合わせることで顧客接点データの分散を防ぎ、活用促進をワンストップで実行できる体制を構築。顧客のWEB行動や購買行動、およびデジタルとリアルでの情報を統合し解析データへ変換、分析をすることで、顧客ごとの体験価値を最適化するコミュニケーションの設計・提供が実現され、顧客のロイヤリティ向上を図ることができる新たなサービスの共同開発に着手することとなった。
同サービスでは、顧客接点データ(口コミや問い合せ、接客情報など)を両社で連携し一元管理。デジタル接点だけではなく、店頭購買など、リアルでの顧客接点もデータ転換・蓄積。これまで負荷の高かったデータ統合、解析をワンストップで提供する。また、顧客データをAIとデータアナリストによる統合解析にかけることによりエンゲージメントをより高解像度で可視化し、従来よりも高精度かつ効果的なCRMプログラムの設計が可能となる。加えて、アウトバウンドやDM、マーケティングオートメーション(MA)運用など、顧客エンゲージメントを高めるコミュニケーション施策まで、ワンストップアウトソーシング体制を構築し、より効率的な顧客ごとのコミュニケーション施策を実現するという。
両社の役割として、凸版印刷はデジタルマーケティング部門を中心に各種WEBサービス(SNS、オウンドメディア、EC、WEBキャンペーンなど)と店頭やDMなどリアル接点チャネルの運用と、その行動データの収集管理をするシステム基盤を提供。ベルシステム24は、コンタクトセンター運用(インバウンド/アウトバウンド)、チャット接客運用、VOC解析など、ユーザーとのダイレクトコミュニケーションの運用と、そのVOCデータの収集管理をするシステム基盤を提供する。
両社は、メーカーや流通などを中心に幅広い業界に向けて同サービスを提供し、2020年に関連受注を含め約20億円の売上を目指す。