ミレニアル世代のSNS発信者がこれからの新しい消費のカタチをつくる リサーチ・アンド・ディベロプメント調べ

株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントは、デジタルに精通した新世代「ミレニアル世代」の消費行動を探るため、日本、中国、アメリカ、ドイツに在住する18~64歳の男女を対象に調査を実施。その結果から、世界的にシェアリングエコノミーが急速に拡大していることを受けて、ミレニアル世代(18~39歳とした)のシェアリングサービスに関する意識についてのレポートを発表した。
まず調査結果からは「SNSを投稿する人ほどシェアリング意識が高い 」こと、「各国のシェアサービス事情が意識に影響」していることが分かった。
前者については「家」「家具インテリア」「自動車」「自転車」「洋服」について「自分自身で所持したい」か「レンタルやシェアしたい」かを調査したところ、各国でほぼ全ての項目に対して「SNSの投稿をよくする」と答えた人が「自分自身で所持したい」よりも「レンタルやシェアで利用したい」意向が高い結果となった。
後者についてはアメリカ、ドイツでは家のシェアリング意向が高いがSNSの投稿との関係は小さかった。この背景として、両国ではルームシェアの文化が根付いていることが考えられ、日本では家だけでなく他の項目でも「自分自身で所持したい」意識が高い結果となった。
これらの結果を受けて同社は、生活者インサイトを次の2視点で分析している。

・日本におけるシェアリングエコノミー
新たなルームシェアのカタチとして世界のミレニアル世代を中心に、短期的な宿泊施設やリビングが共有のコワーキングスペースとして機能したシェアハウス「コリビング」という生活スタイルが流行しており、これはコリビングの利用者同士で繋がりができ、人脈が広がることが魅力だからと考えられる。
また、日本にも参入している自転車シェアリングサービス「ofo(オフォ)」、「Mobike(モバイク)」は、中国が本社の企業であり、中国ではシェア自転車が公共交通として定着していることが窺える。
日本では全体的にシェアより所有したい意識が高い調査結果となったが、シェアハウスやカーシェアといった言葉を日常的に耳にするようにもなってきている。日本におけるシェアリングエコノミーはこれからスタートと言えるのではないだろうか。

・SNSの発信は “承認欲求や自己実現の 場 ” から “ 自らのライフスタイルや価値観の共有の場 ”へ
SNSを単に様々な人たちの生活を覗く場として活用している人より、自らの生活や体験をSNSで発信している人の方が新しい消費のカタチを受け入れることに柔軟であり、これは「所有してどう使う」より「活用するためにはどう手にいれるか」といった意識でモノを最大限有効に活用しているからと考えられる。
シェアリングエコノミーなどの新しい消費のカタチを創造する上で、その拡大には既存の価値観の転換が必要となる。そのためにはSNSを覗くだけの行為だけに留まらず、しっかりとお互いの価値観を共有し議論する必要があり、そうしなければ想定外の出会い、つまり様々な活用方法に出会うことはできないのではないだろうか。
SNSはコミュニケーションが簡単に取れるツールであり、デジタルネイティブのミレニアル世代にとっては一番アクセスしやすい場と言える。他の世代にも新しい消費のカタチが受け入れられるためには、その世代がアクセスしやすい場で価値観を共有し、新たな価値観の広がりに伴って、これからの社会を一緒に創り上げていく必要がある。 ミレニアル世代のSNS発信者はこれからの社会のヒントと言えるだろう。

【ミレニアル世代の消費意識調査 調査概要】
調査地域:日本、中国、アメリカ、ドイツ
調査対象:18~64歳の男女、かつ都市部の生活者
サンプル数:2,124サンプル
調査手法:インターネット調査
調査実施時期:2017年11月29日~2017年12月18日