トランスコスモスのAI研究所、消費者と企業のコミュニケーション実態調査の結果を発表

トランスコスモス株式会社のAI研究所である「Communication Science Lab(コミュニケーションサイエンスラボ)」は、デジタル時代の消費者と企業のコミュニケーションの実態把握を目的に調査を実施し、「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2017」を発表した。
Communication Science Labは、消費者と企業の「対話」を科学することを目的にトランスコスモス社内のAI研究所として、2017年9月に設立。AI・ロボティクスなどの先端技術や機械学習・自然言語処理などを活用した次世代コミュニケーションの社会実装に向け、実証実験や産学共同研究、自社独自の特化型AI開発や人材育成を推進している。
同調査の中で、消費者が企業に不満を感じた経験では、「長い時間待たされた(63.9%)」「Webサイトでほしい情報がすぐに見つからなかった(62.8%)」「平日・昼間しか対応してくれなかった(55.8%)」など「つながらない」「見つからない」「わずらわしい」の3要素が上位を占めた。一方で、消費者の4割近くは、「待ち時間の少なさ」「回答スピード」「手軽さ」からチャットやAIを活用したデジタルコミュニケーションを使いたいと回答しており、不満体験の解消手段としてチャット・AIへの期待が集まっている、と同研究所は分析している。
また、企業のチャットやAIを活用したデジタルコミュニケーションの対応状況は、最も実装が進んでいるメッセージングアプリでも2割に届かず、消費者の多くがスマホによる日常生活のデジタル化を実感している一方で、企業とのコミュニケーションのデジタル化はまだまだ進んでいない実態がある。同研究所は、企業は自社の顧客や潜在顧客層のニーズやライフスタイルをよく知り、消費者の不満を解消するためにデジタルコミュニケーションを活用していく必要がある、と述べている。
同研究所は調査結果の概要として下記の10点を挙げた。

【調査サマリ:消費者と企業のコミュニケーションにおける10の真実】
1.スマホ利用者の8割が日常生活の「デジタル化」が進んだと実感
2.情報検索・記録、連絡、買い物、コンテンツの閲覧など、多くの行動がスマホひとつで好きな時にできるようになった
3.企業とのコミュニケーションの3大不満体験は「つながらない」「見つからない」「わずらわしい」
4.消費者が企業のコミュニケーションに対して求めるものは、「無料」+「速くて正確」+「親身な対応」
5.いつでも好きなコミュニケーション手段で問題解決できるとしたら、企業の評価は高まる
6.コミュニケーション体験の良し悪しが購買行動を左右する。そして、2人に1人がその評判をクチコミとして伝えていく
7.ここ1年で、利用者が増えているチャネルはスマホによるWebサイト閲覧とテキストコミュニケーション
8.消費者は既存のチャネルを使いつつ、チャットやAIを活用したデジタルコミュニケーションにも期待を寄せている
9.消費者は利便性や目的に応じてチャネルを使い分ける。チャットやAIには「待ち時間の少なさ」「回答スピード」「手軽さ」を期待
10.チャットやAIの導入企業は約1割。デジタル化する消費者の期待と企業のGAPは大きい

同調査結果は、特設ページ(https://www.trans-cosmos.co.jp/data/2017dec/)で公開しており、レポートのダウンロードも可能。

【調査概要】
調査企画・設計:トランスコスモス株式会社Communication Science Lab、トランスコスモス・アナリティクス株式会社
調査目的:消費者と企業のコミュニケーション実態把握
調査時期:2017年8月
調査方法:インターネットモニター調査
設問数:全61問
調査対象:直近6ヶ月間のうちに企業とコミュニケーション経験がある男女
有効回答数:3,096件