凸版印刷とイオレ、ネット広告事業で資本提携

凸版印刷株式会社は、2017年7月に株式会社イオレの一部株式を取得し、両社がインターネットマーケティング領域におけるビッグデータを活用した広告事業を共同で推進することに基本合意したと発表した。
イオレは、670万人が利用する日本最大級の連絡網サービス「らくらく連絡網」を運営するとともに、属性が明らかな1000万以上のデータを活用し、最適な広告配信ソリューションpinpointを提供するベンチャー企業。
今回、凸版印刷がイオレの株式を取得するとともに、凸版印刷の電子チラシサービス「Shufoo!」とイオレの連絡網サービス「らくらく連絡網」のビッグデータを基盤とした、インターネット広告サービスを共同で開発・販売することに基本合意した。2017年10月のサービス開始を計画している。

今回両者が開発するのは、「Shufoo!」の匿名化データを管理するDMPと、イオレの匿名化データを管理する「pinpoint」のDMPを連携させ、両者のデータに基づいて、各種SNSや、ニュースサイトなどの様々なWEBサイトで広告を配信できるサービス。
イオレは、「らくらく連絡網」の属性が明確な登録データを活用し、大学生や、主婦などのユーザーの属性に応じた広告配信サービスを提供してきた。今後、「Shufoo!」のデータを「らくらく連絡網」のデータと合わせて活用することにより、生活者の日常の買い物エリアや、閲覧したチラシのカテゴリに合わせた、個人を特定しない形式(匿名加工情報)でのターゲティング広告配信を実現するという。
また、凸版印刷の「Shufoo!」の累計3,000万人、10万店舗の閲覧ログを分析し、複数の閲覧店舗の位置からユーザー毎に「日常買い物行動圏」を生成することで従来のGPSを活用した位置情報では把握しづらかった、エリアと生活者の目的とを紐づけたターゲティングを可能にし、主に地域を重視する広告の効果を高めたいとしている。
両社は、メーカーや流通小売など幅広い業界において高まる求人採用ニーズや顧客獲得ニーズに対し、急成長する運用型広告での課題解決と販売拡大をめざす。 
今後、凸版印刷とイオレは、主婦向けアルバイト情報サービスや、団体の集金、割り勘ニーズに応える決済領域での共同サービス、更には市区町村といった自治体と住民とのコミュニケーション支援サービスなど、両社の持つ資源、強みを活かした新しいサービスを検討・開発していく予定。