電通、次期見通し・経営方針を発表。成長戦略を描きつつ体質改善を急ぐ。

電通は、2009年度の連結業績見通しを発表した。
売上高は前期比13.4%減の1兆6344億円、売上総利益は前期比11%減の2798億円、営業利益は63.4%減の158億円、経常利益は55.2%減の239億円、当期純利益は114億円と黒字化する見通し。

また、同社は今後の経営方針を発表。
国内消費の伸び悩み・企業の海外市場へのシフト、広告・マーケティング業界の構造変化が、今回の不況により加速しているとし、景気が回復しても構造変化は続くと見ている。こうした中、同社はクライアントとメディアへのサービスの両輪を強化し、両者を最適につなぎ合わせたソリューションを提供する。
具体的には、クライアントに対しては経営・事業戦略からアフターマーケティングまで、バリューチェーンの川上から川下までをサポート。
メディアに対しては、新たな価値と需要を創出する働きかけを行う。

また成長戦略としてデジタル領域においては、CCIの完全子会社化、電通サーチ&リンクの設立、オプトとの提携関係強化により、モバイル領域とSEM領域を強化するとしている。
一方でグローバル領域では、マックギャリー・ボウエンの買収による欧米拠点再編強化と執行体制の整備、電通スマート設立によるBRICs市場でのポジショニングを強化。

加えて、収益性確保のための体質改善を急ぐ。
短期的には営業費の更なる効率化、従来の慣習にとらわれないコスト改革を断行、連結子会社におけるコスト削減も実行する。
また、グループ全体での集約発注により、原価低減も目指す。
中長期的には、成長領域への要因シフトや間接業務領域のスリム化、デジタルやグローバルの専門人材の育成を図るとしている。