電通、新年仕事始式を開催 石井社長「2012年は重要な分岐点」「従来の広告ビジネスとは異なる収益モデルの確立取り組む」

株式会社電通は1月4日、平成24年新年仕事始式を東京本社などで開催した。東京本社の仕事始式は汐留本社ビル1階電通ホールで行われ、石井直社長が年頭の所信を述べた。

【要旨】
2011年は、東日本大震災をはじめとして、世界が様々な試練に直面した一年であった。私たちも数々の試練に直面したが、その一方で、電通グループのグローバルネットワークが持つポテンシャルを実感することができた一年だった。
2012年は、電通グループが10年後に成長を遂げているかどうかを左右する、重要な分岐点になると考えている。新しい一年に当たり、「アイデンティティー」と「イノベーション」という二つのキーワードを強く意識したい。
電通グループのアイデンティティーの基盤は、全力で仕事に取り組む姿勢や徹底したプロフェッショナリズムであり、それこそが電通人のDNAに他ならない。一方、イノベーションの実現において最も重要となる要素は、何よりも強固な意志、すなわち変わる覚悟である。そのため、電通グループ、特にその中核を担う電通という企業自身が、過去の成功体験や固定観念を打破する必要がある。
さらに、今後電通グループは、顧客に対して提供する価値をより大きなものとしつつ、既存の収益基盤の強化と、新たな収益基盤の確立という二つの大きな挑戦を同時に達成する必要がある。これは私たちのビジネス構造自体のイノベーションに他ならない。従来の広告ビジネスとは異なる収益モデルの確立にも、顧客のパートナーとして正面から取り組まなければならない。
日本の今を象徴するキーワードとして、「絆」という言葉が挙げられるが、「絆」を生みだす力はコミュニケーションにある。コミュニケーションを通じて人と人の結び付きを強めることを使命としてきた電通グループに求められる役割は、今年一段と大きなものになると感じている。