録画番組「いつもCMを飛ばす」60%超える テレビ視聴に関する調査 リサーチ・アンド・ディベロプメント調べ

株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントは2月15日、テレビやテレビCMに関する調査の結果を発表した。同調査は、2010年10月に首都圏に住む18~74歳の男女3,000人を対象に、訪問留置法によって実施された。

自分とテレビとの関係については、好きな番組がある人や欠かせない存在と感じている人が6割前後を占め、多くの人にとってテレビが依然として不可欠である結果となった一方で、「テレビがなくても特に困らない」という回答も全体の3分の1となり、若い世代を中心にテレビと距離を置く傾向がみられる。

テレビとインターネットの関係では、「テレビをみながらパソコンやケータイでネットを使うことがある」という人が30未満の年代で5割超、40代でも4割近くとなり、テレビとネットの同時使用がミドル層にまで広がっていることがわかった。同様に、「ニュースや新しい情報はテレビよりインターネットで知ることが多い」という回答も40代男性で45%となり、インターネットが生活の日常的な情報源としてミドル層にまで浸透しており、テレビとの使い分けが浸透していることがうかがわえる。

普段の生活で「みたい番組の放送時間に生活時間を合わせている」という人は、70代の高齢者では過半数と多いものの、全体としては27%と比較的少数派となった。一方で、「CMで番組が中断されるといらいらすることがある」という回答は全体で46%と半数近くにのぼり、各年代による差が少なく共通する意見となっている。また、6割以上がテレビ番組を録画視聴しているという結果となり、録画視聴をする際にCMを飛ばすかを訊くと、63%が「いつもCMを飛ばす」と回答し、「CMを飛ばさない」という回答は11.6%にとどまった。

これらの調査結果を受けてリサーチ・アンド・ディベロプメントでは、インターネットが新しい情報やリアルタイムの情報源としての役割となることが予想以上に高い年齢層までに浸透しており、テレビは娯楽メディアとしての価値に特化しつつあるとし、生活者の時間を自由に使いたいという要求が強まり、録画機器の普及も後押ししてテレビ番組のタイムシフト視聴が今後も増えると推察している。また、これらはテレビCMの到達力や効果に大きな影響を与えているため、根本的にテレビCMの位置付けを見直す必要に迫られているとしている。