全体の4割の出版社が2期連続減収。出版業界2009年度決算調査

株式会社帝国データバンクは11月1日、「出版業界2009年度決算調査」を発表した。出版社620社、取次業者193社、書店経営業者299社の3業種の売上傾向を調査し、比較したもの。

出版社では、249社(構成比40.2%)が2期連続減収となっており、2009年度決算の売上上位10社中8社が減収(内7社は2期連続減収)となっている。一方で、2期連続で最終赤字を計上したのは70社(構成比11.3%)のみで、400社(同64.5%)が2期連続最終黒字。売上高の減収傾向が続く中、不採算部門からの撤退やリストラ、社有不動産の売却などで赤字を回避する出版社が多いことを裏付けているとしている。

出版業界3業種の比較では、、出版社、取次業者、書店経営業者とも売上高1億円以上10億円未満の区分が過半数を超え、特に出版社は63.2%(392社)が売上規模が小さいことを指摘。100億以上の売上規模の会社は、書店経営業者が28社で出版社27社となっている。2期連続で増収を記録した業者の割合が最も多かったのは書店経営業者で19.1%(57社)だが、2期連続で減収となった業者の割合も最も多く、業績の2極化が進んでいることを表している。また、3業種ともに2期連続減収となった業者が、2期連続増収となった業者を大きく上回っており、出版業界総倒れの様相を呈しているとし、今後電子書籍市場が発展すれば、さらなる苦戦となることも指摘している。