第1回:苦労してiOSアプリ作ったのに1日のダウンロード数がたったの3!!にしない!
はじめまして。AppleのAppStore内検索エンジン対策(ASO)コンサルタントの杉山です。
実は、3年前はこの広告ニュースの編集長をしておりました。
情報感度の高い広告ニュース読者の皆さんの中には、
・クライアントがアプリ事業をやっている
・自社でもアプリ事業に参入しはじめた
という方もきっと多いと思います。
この連載は、アプリの最前線に関わる方に読んでいただきたい連載です。
今、(一部の)ソーシャルゲームはバブルのように広告費が使われており、ネットメディアを初め、テレビCMでもゲームアプリを見ない日はない程になりました。
■ ゾンビが9割
一方で、鳴り物入りで参入し、発表当初は数万件のダウンロードを叩き出したにも関わらず、何故かその後ダウンロード数が低空飛行をはじめてしまうアプリや、アプリをリリースするも、ほぼ認知されずに消えていってしまうアプリもあります。
一時期はリリースしても誰にもダウンロードされない「ゾンビアプリ」なんて言葉もありました。
実は、ゾンビ化するアプリが9割です。
メディアで日々取り上げられる、メガヒットアプリは数本。
一方で日本のAppStoreに今登録されているアプリをご存知ですか?
私たちの調査では80万本ものアプリが、ストアに登録されています。(弊社のAppStore内検索エンジン表示システムAppSEOでは、毎日80万アプリをクロールしています)
また、アプリの場合、iOSでもAndroidでも、リリースさえすればとりあえずはレビューサイトが取り上げてくれます。これは、アプリの注目度が高いからではなく、単にレビューサイトが過当競争になっているため、新着アプリを競うようにして取り上げるからです。
リリース直後は、誰もがこう思います。
「やった!初日で○万ダウンロードだ!」
「これはいける!」
「広告は大成功だ!」
「メディアにも注目されている」
「このアプリはいけるかも知れない」
しかし、Appleで言うと、AppStoreのカテゴリ順位の変動間隔は数十分。(最近、多少間隔が伸びたようですが)
継続して広告を出し続けない限り、レビューサイトやメディアへの掲載で得たダウンロードの山は1〜3日で落ち着いてしまいます。
上のグラフで言うと、一気にダウンロード数の山が出来たと思ったら急降下。
以降はひどいと1日数件のダウンロードが続くことに。
アプリ事業部の中には重苦しい空気が流れます。
思い出したように広告を出稿するも、効果は1日〜2日で収束していきます。
「何が起こったんだ」
「初日のお祭り騒ぎは何だったんだ」
「どうしてユーザーはダウンロードしなくなったんだ」
「この事業はどうなってしまうんだ」
多くの場合、アプリ事業は突然死のように終了します。
ビジネスモデルの良し悪しや、アイテム価格の妥当性、アプリそのもののUIの良し悪しを判断するレベルに達しないまま、KPI測定不能で終わることもあるのです。
そもそもダウンロードされないから、検証が出来ないのです。
■ 新しい水が流れてくるから、事業が回る
広告ニュース読者の皆さんのクライアントや、御社のアプリ事業は、ほとんどの場合、腰を据えた事業としてアプリを開発されているはずです。
例外的に、毎月10本以上も大量にリリースして、そのうち1本がホームランだったら大成功!という、いわゆるカジュアルゲームのジャンルもありますが。
広告やマーケティングを伴うとしたら、1本のアプリをある程度作りこんで、ユーザーの反応を見ながらPDCAを回してアップデートしていく方が多いと思います。
きっと釈迦に説法になってしまいますが、一つのサービスでPDCAを回すときには、リリース直後に3万ユーザーを確保して以降新規ユーザー登録なしの状態(しかも恐らく3ヶ月後には5割近くが離脱していたりする)ではなく、1日300の新規ユーザーが3ヶ月登録し続ける方が理想的ではないでしょうか。
経験上、リリース後3ヶ月目の1日のアクティブユーザーの数(DAU)も後者の方が多いです。
私が、AppStore内検索エンジンからの定期的なユーザー獲得が非常に重要と思うのは、こうした理由からです。
また、1日たった300ダウンロードだったとしても、時間経過と共に累計のユーザー数は増え続けますので、大型広告を一発打つよりも長期的には多くのユーザーを獲得できます。
ASOは、時間を味方につけた集客施策、と考えています。
■ 実はASOは広告とも相性がいい
“一発、デカい広告を打つよりもいい”と書いてしまうと、あなたはきっと、「おいおい、また広告にかわるサービスが出た、とか言っちゃうのか・・・」と思うでしょう。
はい、確かに私が広告ニュース編集長時代にも、
「これからは広告にお金を払わず、無料でPR!」
「これからは企業からの一方的な広告ではなく、ソーシャルメディアで消費者との対話をする時代」
などのキャッチィな宣伝文句に対して、疑問の声が上がったこともありました。
しかし、AppStore内検索エンジン最適化(ASO)に関しては、
「広告予算が確保できるならば、広告を出し続けた方が、ASO的にも絶対にいいですよ!」
と言っています。
それはなぜかというと・・・
AppStoreの検索アルゴリズムでは、直近のダウンロード数を見ています。
つまり、広告でダウンロードが増えれば検索順位も上がるのです。
実際に、AppSEOでアプリのキーワードごとの検索順位を計測していると、広告出稿にリンクして、検索順位も上がるのが見てとれます。
これを「ブースト」と呼んでいます。
検索順位のブーストもかかるので、広告会社さんと一緒になってASOの提案をする機会も多いのです。
また、ネット広告にしても、雑誌やテレビでの露出にしても、ユーザーがAppStore内で検索したときに見つからなければ、その分のみ込みユーザーを逃してしまうことになりますので、広告出稿前にきちんとAppStore検索エンジン対策を施しておく必要があります。
まとめ
AppStore検索エンジン対策(ASO)の具体的な方法や、事例については、連載2回目以降でどんどん紹介していきます!
ASOのTipsについては「アプリそうけん」さんなどでも、連載しておりますので、よかったらそちらも参考にしてください。
また、ご質問も受け付けております。質問は、広告ニュース編集部か、私のFacebookまでお寄せください!
回答可能であれば、本連載で回答させて頂きます!