ネット広告業界の歯車で終わらないために!

あなたは新卒の時の夢をまだ忘れずにもっていますか?
システムの運用に日々飲まれていませんか?
高すぎる目標に心折られていませんか?

多くのひとが仕組みに飲まれず、少しでも仕事作りだして楽しんでもらいたいなぁ。そんな思いで業界の中をあがく新米社長の世間話。

亀谷 誠一郎

第4回:独立したら儲かるんですか?という質問に、独立して半年の私が答えてみる。

2016年もスタートライズ広告ニュースの連載続くこととなりました。
「株式会社はこ」の亀谷です。 

一番自由にやらせていただいているこの連載コーナーですが、今年も引き続き「広告で使えるノウハウの話」よりも、「ネット広告業界の生き方」や「初めての独立話」をメインに書いていきたいと思います。

さて、記念すべき2016年第一回は、私が独立して一番聞かれる質問。

「独立して儲かってるんでしょ?」
「独立って儲かりますか?」

に関して答えてみたいと思います。本当にいつも聞かれます。みなさんお金が好きですねぇ(笑)

世の中にある情報は、超優秀な成功者の方のコメントや一度失敗して再起した方のコメントばかりですので、まだ成功してない経営者のリアルな気持ちをお届けできればと思います。

独立したら、「儲かっていません」などとは口が裂けてもいえない

さて、「独立したら儲かるかどうか?」

独立して私が感じた結論はですね。

独立したら「儲かっています!」以外の答えは言えなくなります。

 

どんなに儲かっていなくとも、「儲かってる?」と聞かれて、「儲かってません。」なんて絶対に言えません。広告業界は特にそういう業界です。「最近、儲かってなくてさぁ。なんか仕事ない?」なんて言った瞬間、都合の良いように使いたいハイエナみたいな人たちが寄ってたかってやってきて、安い単価で、良いように使われるのが関の山です。(※あくまでイメージですけどね。そうでないひとももちろんたくさんいます。)逆に広告業界で儲かっている、仕事を多く受けているひとというのは、需要と供給とのバランスで、高い単価で業務を受注することができます。

実は、私は会社を作ったとき、貯金が200万円ありませんでした。

資本金100万円で会社を作ると、残り手元に残るのが100万円以下。初月に受注できたとしても、初入金は2か月目の月末です。家賃、交通費、会食などの諸経費。なくなっていくお金に毎日ヒリヒリしていましたが、そんな状況でも笑顔で「順調です。儲かっていますよ。」以外には言えないのです。

おかげ様でそんな事態にはなりませんでしたが、きっと何かで借金しても「儲かっている」と言い続けていたと思います。

そんなのはいいから、独立したら儲かるの?今よりお金持ちになれるの?

ただ、サラリーマンの方はそんな答えは求めてないのも理解しています。結局、儲かるの?だと思います。そこで、とりあえず金銭的な面で実際儲かるの?ということについて考えてみます。

これも結論から言いましょう。

サラリーマン時代と同じ給料もらえるくらい利益を出していれば、サラリーマン時代よりは金銭的に裕福な生活を送れるようになります。

会社に課せられる数千万円の高い目標を達成せずとも、自分の給料以上の利益を稼げるようになれば、瞬間的に、金銭的な意味では今よりも裕福な生活を送ることができるでしょう。

所属している会社の規模にもよりますが、会社で稼いでいる利益の内訳の大枠を考えますと、

①将来に向けて会社に残すべきお金
②自分以外の人たちの給料
③自分の給料

くらいに分けられます。

独立して一人でやると決めれば、利益の計算の仕方も自分で決められますし、自分以外の人たちに払う給料もありません。残った利益を、将来に向けて会社に残すお金と、自分の給料の配当を決めるだけになります。

こんなことをやるかどうかは別ですが、1,000万円利益を出せば、自分の年収を1,000万円にすることもできます。

全ては自分の決め方次第です。保障は全くなくなりますが、金銭的にサラリーマン時代より裕福な生活を送ることができるようになりますか。と聞かれれば、ちゃんと利益出せばなれますよ。が回答です。

じゃ、独立しようかという方へ。独立してまず抱える3つのリスク

この話を聞くと、普段、超高い目標を課せられている営業の方なんかは特に、

今の給料くらい利益出せればいいなら、結構簡単にいけるんじゃないの?
利益1,000万円くらいどうにかなるんじゃん?とりあえず俺も独立するか!

と思う人もいると思います。
そこで、第一回の連載にも少し書きましたが、あれから半年。私が感じている独立リスクについても更新しておきます。少額の自己資金で独立したら、誰でも下の3つは出てくると思いますのでご参考まで。

1.信頼がなくなります。
   
  ひとの信頼は以外となくなりません。
   ただ、会社としての信頼が0になります。

   会社に所属している場合、会社の信頼を借りて取引しています。
   新規で会社を設立した場合、取引条件がサラリーマン時代よりも
   下がることは覚悟しておきましょう。
   

  銀行の口座を開けるのも一苦労します。サイト払いで今まで取引できた会社と、
   はじめは前金でしか取引できないなんてざらにおきます。

   メディアバイイングでお金を稼いでいるひとは、必ず口座問題にぶち当たりますので、
   その辺勘違いしないように注意しておきましょう。

2.将来の保証がなくなります。

   会社に所属していて、実感しにくいけど確実にあるものはこれです。
   ほとんどの会社は、明日潰れることはありません。
  社員全員で支えていますので、一人どうなったからといって大きな影響はありません。

 

   ただし、独立すると、助け合う組織もないので、明日がどうなるかわかりません。
   今が良くても、明日は駄目かもしれません。今年良くても来年駄目かもしれません。
   会社が小さいうちは特に吹けば飛ぶリスクを常に持ち続けます。

3.スタッフの助けがなくなります。

   会社を出てみて気づくこと。
   それは多くのひとに支えられて自分はやってきていた。
   ということです。

  特に大きな会社の営業さんの場合は、苦しいノルマがある一方で、
  営業に力を入れられるよう、会社が環境を整えています。

   これは、どんなにそれを理解しているつもりでも、外に出ないと気付かないことなので、
  今のうちに周りのひとには感謝しておきましょう。

あくまで独立して半年過ぎた個人の感想です。
ただ小規模の営業メインでとりあえず独立しようと思うのであれば、まず意識しておくべきは、この3つくらいだと思います。

少人数のうちは案件さえあって、サラリーマン時代と同じくらいの利益さえ上げられればなんとかなりますし、金銭的には今よりも良い生活を送れるはずです。ただ、そのレベルでは何とも言えない不安に追いかけられ続けます。

儲かる儲からないではなく、独立すると見えてくるもの。

さて、独立したら儲かるか儲からないかに関しては、

「利益さえ出せば儲かるし、利益が出なくても儲かっていないなんて言えないから儲かる。」

という当たり前な結論を書いた上で、最後に私なりに感じている独立とお金に関してまとめておきます。

非常にお伝えにくいのですが、独立すると給料という考え方がそもそもなくなり、お金に関しての価値観が大きく変わります。私自身、今までベンチャーで立ち上げ時期からやってきた経験はありましたが、経営者かそうじゃないかでこんなに変わるものかとびっくりしました。

株式を100%持っていれば、最終的には会社自体が自分の資産ですので、給料をいくらもらおうかという判断にはあまりなりません。生きていけなくなる不安は毎日抱えつつ、どうやって会社にお金を集めて信用を高め、集まったお金を投資して、次に何を成し遂げるかしか考えなくなります。

給料上げるというよりも、会社としてお金を生み出す価値をいかに作るか。

そこにつきます。起業後10年経って残っている会社はわずかに5%程度。誰しもある程度儲かる目算があって独立すると思うのですが、それだけではきっと長続きしないのです。

独立当初はお金モチベーションで全然良いと思います。ただ絶対に通る道だと思いますので、今から独立を検討するのであれば、それだけでは長続きしないことを想定しておいた方が良いと思います。

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