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ストーリーで口説く統合コンテンツ論

IMC(統合型マーケティング)プランニングを専門的に実践するインテグレートにて、デジタルメディア・コンテンツの企画立案、編集、運営を行うメディアソリューション部が、デジタル時代の「コンテンツ」について語るコラム。情報が一方通行でなくなった今、魅力ある「コンテンツ」とはどういうものか、分析、探究していく。

株式会社インテグレート
メディアソリューション部
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第3回:パワーコンテンツの影響力

 みなさんは、今年のカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルの受賞作品をご覧になりましたか?
「カンヌ」は世界的なマーケティングの流れを体感できる貴重な機会なのですが、連載第2回目でお話したストーリーテリングの要素もさることながら、今年のカンヌでコンテンツの重要性と可能性を感じとった方が多いのではないでしょうか?

 

 ソーシャルメディアの普及で誰でも情報の発信ができるようになり、コンテンツの重要性がますます高まっていると感じています。弊社インテグレートが日々実践しているマーケティング支援活動でも、コンテンツの設計が重要視されてきました。

 

 そんなコンテンツの話ですが、マーケティングの世界ではどうなのでしょうか?
米国では、「コンテンツ・マーケティング」というキーワードが2011年から盛り上がってきており、それに関する情報が多く発信されています。
その中で米国のコンテンツ・マーケティング会社であるContent Marketing InstituteとMarketingProfsが共同で、調査レポートを発表しています。
それによると、2011年、企業がコンテンツ・マーケティングで活用したメディアは、記事が79%、次いでソーシャルメディアが74%、ブログが65%という結果となりました。

 

 ここで、コンテンツ・マーケティングとはなにかについて簡単に触れておきます。
ブログ、動画、記事、ソーシャルメディアなどあらゆる種類のコンテンツを活用して、企業マーケティングに役立てるマーケティング手法を指します。これは、従来型の広告媒体(テレビ広告、OOH、オンライン広告など)ではなく、コンテンツを用意して、そこに触れた消費者に対して「自分ごと化」させることで、次の行動につなげるものです。
言い換えれば、消費者にとって自分の興味のあるコトやモノについて、価値のあるコンテンツを提供することにより、理解、納得をしていただき、次の消費につなげるという考え方です。

 

 一例として、米国コカ・コーラ社が2011年に発表した「Content 2020」というレポートがあります。
「Marketing Week」というナレッジバンクの記事で、「Creative content will fuel Coca Cola’s growth」(創造的なコンテンツがコカ・コーラの成長の原動力となる)と報じられている通り、コンテンツを重視するコカ・コーラ社の戦略が読み取れます。

 一方、消費者とコンテンツの関わりにも変化が見られます。
ビックデータとも呼ばれる情報過多の時代において、各メディアが発信する情報だけでなく、ソーシャルメディアを飛び交う情報が増え続ける中で、消費者は自分の興味に従って「編集された情報」を求めるようになっています。

 

 「カカクコム」のような口コミサイト、「Yahoo!知恵袋」「教えて!goo」のようなQ&A型サイトなどを使っている方も多いと思いますが、近年は「NEVERまとめ」などのキュレーションサイトをフォローしている方が多くなっています。
キュレーションのタイプとしては「2ちゃんねるまとめ」のような特定のテーマでまとめている「テーマサイト型」と、「twitter」「Facebook」のお気に入りや、気になる人のフォローをする「キュレーター型」の2つに分かれるのではないでしょうか。この後者の典型は、現在ユーザーを急速に伸ばしている「Pinterest」でしょう。「Pinterest」は会話ではなく、写真という一つの作品から、その人の考えていることや、趣味嗜好などで、自分が共感した作品や人をフォローするものであり、感性でのつながりという領域でコミュニケーションを楽しんでいます。


 コンテンツの重要性を改めて認識いただけたかと思いますが、どんなコンテンツが、消費者を動かすのでしょうか?
いまの消費者は、製品を購入しようとするときに、テレビ番組や雑誌記事、インターネットなどあらゆる情報を検索して、どの製品を選ぶべきかその判断材料を集めています。
その際、情報の発信者はだれなのか?その情報は信頼のおける情報なのか?消費者は情報とその発信者を評価、吟味して、情報を取捨選択し、購入する製品を絞り込んでいきます。こうした過程で、消費者が最も頼りにするのは、中立公正で信頼のおける第3者の発信する情報です。その意味でも、現在ソーシャルメディアや編集記事等のアーンドメディアのコンテンツが注目を集めています。たった一つの記事や番組が、消費者の購買行動に決定的な影響を与えることはよくあります。

 

 このように人を動かす力を持ったコンテンツを私達は「パワーコンテンツ」と呼んでいます。
コンテンツの力を高めていくためには、ただコンテンツを制作するのではなく、消費者が聞きたいこと、関心のあることを洞察する必要があります。また、そのコンテンツを誰が語るのか?発信者の信頼性もコンテンツに大きな影響を与えます。

 

 インテグレートでは、IMC(統合型マーケテイング)の戦略設計からコミュニケーションの実施までを行っていますが、戦略設計段階において、消費者の購買行動を促すコンテンツを開発する「情報クリエイティブ」というプログラムを持っています。

 

 プログラムというとなにか方程式のような、なにか決まった法則があるのか?と想像するかもしれませんが、そうではありません。
自分の会社の商品の「言いたいことを伝える」だけでは、消費者の心には届かないのです。企業からの一方通行なメッセージに対し、消費者は「これは自分の聞きたいメッセージではない」と感じ、スルーされてしまいます。
マーケッターはつねに「伝える」ではなく、その先の「買ってもらうために,選んでもらうために、消費者のどんな行動を引き起こすのか」を考え、実践する必要があります。

 

 消費者の心のバリアを解きほぐし、消費者を購買行動へと導き出すための「動機付け」となるコアメッセージを構築し、最適なメディア戦略で消費者を「動かす」それが「情報クリエイティブ」です。
この「情報クリエイティブ」を駆使し、導き出した情報をもとに作るコンテンツが「パワーコンテンツ」なのです。

 では、このパワーコンテンツをどのように使うのでしょうか?
このコンテンツを単にオウンドメディア内のコンテンツに使うだけでは、コンテンツを生かし切れているとは言えないと思います。
またパワーコンテンツをマス広告で展開するだけでも、情報は消費者の心に届きません。
トリプルメディアの発想で全てのメディアを統合的に組み合わせて情報発信していく事が重要です。

 一例として、「美魔女」の例を挙げたいと思います。
みなさんは「美魔女」という言葉を聞いたことはありますか?この「美魔女」という言葉は雑誌「美ST」(光文社)の元編集長である山本由樹氏が作った言葉です。インテグレートでは、この「美魔女」のメディアプロモーションをお手伝いしましたが、「美魔女」が浸透した要因は、その拡散手法の設計にあったと思います。

 パワーコンテンツをつくり、その最適な配置を行う戦略設計により、情報が拡散していくのです。
繰り返しになりますが、「美魔女」では、マス広告で展開するだけではなく、あらゆる手段を講じて情報拡散の仕組みを作りました。その中で考えた手法として、「リアル⇒テレビ(マス)⇒web」での拡散という手法、もしくは「リアル⇒web⇒テレビ(マス)」という情報拡散を考えたプロモーションの実践ということにあります。

 

 これはパワーコンテンツをいかに、どのように使いこなしていくかという命題から導き出したものです。その後の「美魔女」のお話はみなさんがご存じの通りです。

 

 次回はこのパワーコンテンツをさらに有効に活用し、消費者とのエンゲージメントを高める手法、「テーマポータルという仕掛け方」についてお話しいたします。

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