サイバーエージェントの「AI Lab」、慶應義塾大学星野教授と広告配信AIの最適化を目指す共同研究を開始

株式会社サイバーエージェントにおける人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」は、慶應義塾大学経済学部星野崇宏教授と、共同研究を開始したと発表した。
スマートフォン普及率が約8割(総務省「情報通信白書」より)となり、ディスプレイ広告が人々の身近なものとなる中、広告の配信をおこなうDSPには、それぞれのユーザーにとって適切な広告クリエイティブを選択する機能が求められている。こうしたアルゴリズムの設計にあたっては、機械的にクリエイティブを決めるのではなく、それぞれのユーザーの興味・関心、心理状態などにも配慮することが求められており、機械学習に加え、従来から人間行動についての研究が蓄積されてきた、マーケティングサイエンスや経済学、心理学などの知見を動員することによる改善が期待されている。
このような背景のもと、「AI Lab」ではこれまでも計量経済学やマーケットデザインの考え方を組み合わせた広告配信技術の研究を行ってきたが、今回、慶應義塾大学経済学部教授の星野崇宏氏と、限られた情報から最適な選択肢を効率的に探すバンディットアルゴリズムの拡張による、広告クリエイティブ選択アルゴリズムの最適化に向け、共同研究を開始した。
星野教授は、統計学・行動経済学・マーケティングサイエンスを専門とし、統計学や計量経済学に関する理論的研究や、マーケティング・脳科学・公衆衛生をはじめとする幅広い分野への応用研究で活躍している。また、国内のAI研究の中核研究施設である理化学研究所AIPセンターにおいてチームリーダーとして経済経営情報融合分析チームを率いると同時に、中央省庁や企業へのコンサルテーションや共同研究も多数実施するなど、実社会への貢献も数多い。
同研究はアドテクスタジオから提供しているダイナミックリターゲティング広告「Dynalyst(ダイナリスト)」などの広告プロダクトに実装を予定している。