2008年の広告代理店倒産件数91件、破産相次ぐ広告業界(上)

【特集記事】2008年の広告代理店倒産件数91件。この7年間の広告関連企業倒産、3倍に膨らむ。

 帝国データバンクは、2008年広告関連企業の倒産についての調査を発表した。
世界的な金融危機により日本経済が急速に悪化し、企業の広告費削減が騒がれている。
広告代理店最大手の電通が発表した2008年日本の広告費によれば、2008年の総広告費は前年比4.7%減と現象している。

2008年は過去最多の206件が倒産も、リーマンショックの影響だけとはいえない。

調査によると、2008年の倒産件数は206件と、2001年以降で最多となった。
但し、これは単に昨年のリーマンショック以降の不況による倒産増とは言い切れない。
広告関連企業の倒産件数は、2001年以降、ほぼ一貫して増加傾向を示しており、2001年からの7年間で178.4%も倒産が増加したことになる。

広告関連業種の倒産件数
広告関連業種の倒産件数推移グラフ

負債総額の推移は、長引く経済の低迷により大型倒産が重なった2002年で241億3200万円。
その後、件数の増加に比べ負債総額は2005年まで減るが、それ以降一貫して上昇を続け、2008年は前年比16.3%の増加の223億300万円で、2002年の水準に近づいている。
帝国データバンクによれば、今後も、消費の低迷や正社員にまで及ぶ雇用調整の本格化が予想され、企業の経費削減の一環として広告宣伝費の抑制は避けられそうになく、広告業者の倒産件数増加とそれに伴う負債総額の増加に拍車をかけることになるだろう、としている。

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