フジ・メディア・ホールディングス、平成24年3月期決算 放送事業や生活情報事業が増収で広告事業の黒字化により、増収増益

株式会社フジ・メディア・ホールディングスは、平成24年3月期決算を発表した。

<平成24年3月期の連結業績>
(平成23年4月1日~平成24年3月31日)
売上高:5,936億4,500万円(前期比 0.7%増)
営業利益:332億400万円(同 26.0%増)
経常利益:523億2,000万円(同 77.6%増)
当期純利益:612億1,300万円(同 512.0%増)

売上高は、映像音楽事業、広告事業などで減収となったが、株式会社ビーエスフジが新たに連結子会社に加わった主力の放送事業、生活情報事業が増収となり、前年同期よりも増収となった。
営業利益は、放送事業、生活情報事業が大幅増益となったことや、広告事業が黒字化したことなどにより、増益の332億400万円となった。経常利益は、フジテレビ系列局9社が新たに持分法適用関連会社となり、負ののれんの発生を持分法による投資利益として計上したことなどで、増益となった。また、当期純利益も株式会社サンケイビルの連結子会社化による負ののれん発生益を特別利益に計上したことなどが加味されて、増益となった。

セグメントの業績の状況は以下の通り。

<放送事業>
株式会社フジテレビジョンの放送事業収入の核となる放送収入のうち、タイムセールスについては、震災の発生前にセールスを終えていたため大きな影響はみられなかった。また、景気連動性の強いスポットセールスは第1四半期では大幅に落ち込んだものの、7月以降は回復に転じ、その後も年度末まで概ね復調傾向が続いた。その結果、ネットタイム、ローカルタイム、およびスポットのすべての収入が前年度実績を上回り、放送収入は2,481億500万円で前年同期比0.5%の増収と、2年連続で前年度を超える結果となった。
全国放送を対象とするネットタイムセールスの売上高は1,125億5,300万円で前年同期比0.5%の増収となった。
関東地方への放送を対象とするローカルタイムセールスの売上高は159億8,600万円で前年同期比3.1%の増収となった。
スポットセールスの売上高は1,195億6400万円と前年同期比0.2%の増収となった。
放送事業収入のその他放送事業収入の売上高は323億9,500万円で前年同期比2.3%の増収となった。
その他事業全体の売上高は485億1,200万円で前年同期比2.5%の減収となった。

費用面では、コストコントロールが奏功し、放送事業原価、その他事業原価ともに前年度下回った。その結果、営業費用全体でも前年度を下回り増益となった。
新たに連結子会社となった株式会社ビーエスフジは、4月は震災の影響を受けたものの、その後スポット
セールスが好調に推移し、タイムもレギュラー番組に加えて単発セールスが売上を伸ばして、業績は前年度を大幅に上回りました。
株式会社ニッポン放送は、低迷が続くラジオ広告市況の影響を受けて放送収入が伸びず、売上高は188億3,700万円と前年同期比1.9%の減収となったが、費用面で番組制作費、販売費及び一般管理費の削減に努め、3期ぶりに営業黒字となった。

以上の結果、放送事業全体の売上高は3,552億1500万円と前年同期比2.2%の増収となり、セグメント利益は271億6,600万円と前年同期比22.7%の増益となった。

<制作事業>
制作事業は、震災の影響により上期は番組やイベントなどの受注が減少したが、下期に入り回復基調となり、売上高は446億1,100万円とほぼ前年並みだった。一方で原価率の低減や販売費及び一般管理費の削減に努め、セグメント利益は22億5,900万円と前年同期比23.7%の増益となった。

<映像音楽事業>
株式会社ポニーキャニオンの音楽部門は、大量リリースがなく減収、映像部門もアニメや韓国ドラマが堅調に推移したが、前年度に比べヒット作が少なく減収となった。費用面では、原価率の低い配分金収入の増加などにより売上原価が低減したほか、諸費用の削減に努めたが、減収分をカバーするには至らず減益となった。
株式会社フジパシフィック音楽出版は、著作権使用料収入が増え、増収増益となった。
以上の結果、映像音楽事業全体の売上高は595億4,700万円と前年同期比11.0%の減収となり、セグメント利益は25億8,300万円と前年同期比6.7%の減益となった。

<生活情報事業>
株式会社ディノスのカタログ通販は、年度を通して好調で、リビング系も堅調に推移し増収となった。また、テレビ通販も増収となり、費用面では原価率の改善に努めたことで大幅増益となった。
株式会社セシールは、テレビCMを中心にした販促活動が功を奏し、ファッション系が順調に伸び、節電・省エネ商品も好調だったことで、増収増益となった。
株式会社サンケイリビング新聞社は、震災の影響が大きく減収となり、原価や人件費などの経費削減に努めたが大幅減益となった。
以上の結果、生活情報事業全体では、売上高は1,347億4,400万円と前年同期比5.8%の増収、セグメント利益は14億4,000万円と前年同期比205.2%の大幅増益となった

<広告事業>
株式会社クオラスは、年度を通して協同広告株式会社の取扱い分を取り込んだことにより、主力のテレビ、新聞などの広告取扱高が増加し売上全体で増収となったが、マス4媒体の原価率が高止まり、販売費及び一般管理費の削減に努めたものの減益となった。
協同広告株式会社は、前年度に実施した支社支店の閉鎖に伴い減収となったが、営業効率の向上とコスト削減により黒字化した。
以上の結果、広告事業全体では、売上高は395億6,200万円と前年同期比6.2%の減収となったが、セグメント利益は1億3,500万円となり、黒字化した。

<その他事業>
株式会社フジミックは、システム開発の受注が増えたものの増収減益となった。
株式会社扶桑社は、雑誌部門の広告売上や書籍売上が堅調に推移し、売上高はほぼ前年並みとなり、費用面では広告宣伝費の削減や返品等の減少により、大幅増益となった。
その他事業全体では、売上高は271億6,000万円と前年同期比0.6%の減収となったが、セグメント利益は7億6,900万円と前年同期比12.2%の増益となった。