乃村工藝社、平成24年2月期決算を発表 純利益が前期比49.7%増

株式会社乃村工藝社は、平成24年2月期決算を発表した。

<平成24年2月期の連結業績>
(平成23年2月16日~平成24年2月15日)
売上高:874億6,400万円(前期比 2.9%減)
営業利益:12億1,500万円(同 8.5%増)
経常利益:13億2,500万円(同 2.9%増)
当期純利益:6億400万円(同 49.7%増)

震災による被災エリアを中心に顧客の復興支援に取り組むとともに、市場の変化への対応力を強化するなど、経営目標である「選ばれるノムラ」の実現に向け、事業活動を展開した。また、コスト管理の徹底と固定費の抑制による収益構造の改善を継続して進めた。
売上面においては、ディスプレイ事業において「名古屋市科学館」や「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」の展示制作のほか、平成23年7月より「盛岡市立もりおか歴史文化館」の運営を手掛けた博物館・美術館市場が好調に推移した。指定管理者制度にもとづく施設運営を含め、文化施設等の管理・運営業務については、順調に受託件数を増加させている。さらに、大型再開発や駅周辺の商業施設におけるリニューアル、空港内の環境演出などを手掛けた複合商業施設市場が堅調に推移した。しかしながら、顧客企業によるプロジェクトの延期・中止や受注規模の縮小などの影響は大きく、当事業分野における売上高は前期の実績を下回った。また、不動産事業におきましては、オフィス賃料の下落傾向が継続するなど、引き続き厳しい市場環境が続いたほか、飲食・物販事業におきましても、震災の影響で一部の店舗が一時休業を余儀なくされたことなどにより、売上高は減少した。
利益面では、売上高の減少および受注競争激化の影響を受けたが、販売管理費の削減などにより営業利益、経常利益ともに前期の実績を上回ることとなった。また、当社は平成23年3月、大阪南労働基準監督署より時間外労働管理等に関する是正勧告および指導を受けた。これに伴い、当社グループでは勤務の実態調査を実施し、適宜人事制度の改定を行った。この結果、過年度給料手当を支払うこととし、特別損失に計上している。このほか役員退職慰労金など、合わせて6億14百万円の特別損失を計上したが、受取保険金などの特別利益3億8百万円を計上したことに加え、当期は、税制改正による実効税率の低下にともなう繰延税金負債の取崩しにより税負担率が軽くなり、一部子会社において赤字の計上や繰延税金資産の取崩しがあった前期から大幅に税金費用が減少し、当期純利益につきましても前期を上回った。

事業分野別の状況は、次のとおり

■ディスプレイ事業
売上高:855億4,500万円(前期比 2.9%減)
営業利益:11億1,500万円(前期比 16.9%増)

■不動産事業
売上高:4億6,500万円(前期比 5.4%減)
営業利益:1億2,400万円(前期比 19.4%減)

■飲食・物販事業
売上高:14億5,300万円(前期比 6.4%減)
営業利益:7,500万円(前期比 41.5%減)