電通と博報堂の産学連携「MIRAI DESIGN LAB.」、“2030年の社会”に向けた4つの提案を発表

株式会社電通と株式会社博報堂は1月24日、両社で共同設立した産学連携ラボ『MIRAI DESIGN LAB.』の第一期の集大成として、“2030年の社会”に向けた4つの構想を公表した。
「MIRAI DESIGN LAB.」は、電通と博報堂がコミュニケーション・カンパニーの責務として、「そのアイデアが、未来を創る。日本を変える。」をフィロソフィーとして設立。その活動の第一期として、昨年、全国の大学生・大学院生から“2030年の社会”を想定したアイデアを募る「MIRAI DESIGN AWARD 2030」を2011年3月に開催した。ここで受賞した大学生・大学院生4チームとともに、“2030年の社会”に向けた構想を約9か月間かけて練り上げてきた。
今回提案されたのは、以下の4テーマ。詳細な内容は、今春に書籍等で発信される予定。

【経済】「信任貨幣(Confidence Currency)」(東京大学大学院 学際情報学府)
既存のお金の問題点を解決し、人と人との間をより良いかたちで結んでいくような貨幣のあり方をデザインする。アイデアは、「人の信任」を新たな価値要素とした仕組みを作ること。今後は「信任貨幣」の仕組みを使い、実際に地方自治体への提案や、教育現場への応用などを目指す。

【環境】「未来に灯りを灯す」(九州大学 統合新領域学府)
単なる照明としての“光”から、自分の個性に合った“灯り”として、向きあう時代こそが2030年であるとして、識者の談話をまとめた。2030年に向けたコアアイデアとして、あかりの物性や情緒性を表す新しい基準「moon」を提案する。

【国際】「ノマドパスポート -NOMAPO-」(慶應義塾大学 総合政策学部)
“超(ハイパー)ノマド”というエリート層が新しい未来を切り開いていくと仮定し、その可能性を探る。

【医療】「広告医学が拓く、新たな医療のカタチ」(横浜市立大学 医学部医学科)
人の健康につながる専門的な医療の知恵と、人の行動・習慣に影響を与える「広告」の手法を活用することで人々の健康増進を目指す新規学術領域「広告医学」を立ち上げる。