インプレスHD、第2Q決算 広告収入の減少で減収するも子会社売却の特別利益などで純利益は増

株式会社インプレスホールディングスは、平成24年3月期第2四半期決算を発表した。

<平成24年3月期第2四半期の連結業績>
(平成23年4月1日~平成23年9月30日)
売上高:55億8,200万円(前年同期比 34.6%減)
営業利益:1億4,700万円(同 68.7%減)
経常利益:1億1,500万円(同 73.0%減)
四半期純利益:2億4,100万円(同 80.6%増)

大型季節商品の出荷規模は増加したが、前年同期の特殊要因であったパソコン入門書などの出荷減少や刊行遅れによる書籍販売の減少、震災の影響による広告減収に加え、事業再編に伴う売上高の減少などが影響した。経常利益では、原価抑制や固定費削減などによる収益性の改善により減収の影響を補った。また、医療セグメントの事業譲渡の影響により、医療セグメントの業績は、前年同期に比べ売上高で25億5,100万円、経常利益で3億8,500百万円の減少となった。
四半期純利益は、子会社株式売却などによる特別利益1億500万円(前年同期は7,400万円)を計上したほか、事業構造改革が一巡したことより特別損失が大幅に減少したことに加え、法人税等還付税額6,800万円を計上した結果、前年同期に比べて増益となっている。

(IT)
■メディア事業
デジタルメディアでは、主力のデジタル総合ニュースサービス「Impress Watch」などを中心に震災の影響などにより広告収入が軟調に推移したことに加え、テクノロジー、メディアなどをテーマとした調査報告書などのコンテンツ販売も減少した結果、減収となった。
出版メディアでは、Android搭載スマートフォンの総合情報誌として雑誌「Androider+」の創刊、カレンダーなどの季節商品の出荷増やスマートフォン関連を中心とした書籍販売が堅調な推移となったが、前年同期の売上に大きく寄与したマイクロソフト社の新製品「Office2010」の発売に伴うパソコン入門書の刊行などの特殊要因による減収が影響し、若干の減収となった。
ターゲットメディアでは、エンタープライズIT専門誌「IT Leaders」の広告もデジタルメディアと同様に広告出稿が減少したことにより、減収となった。
これらの結果、メディア事業の売上高は、震災の影響などによる広告の減収が大きく影響し、前年同期(18億6,600万円)比5.1%減の17億7,200万円となった。

■サービス事業
受託制作等のサービスについては、中国市場向けのプロモーションツールの制作受託の堅調な推移に加え、セミナーなどのイベント収入の増加となったが、企業向けを中心としたソフトウエアのオンライン販売の事業譲渡により、減収となった。
これらの結果、サービス事業の売上高は、事業譲渡による減収が大きく影響し、前年同期(6億8,500万円)比18.1%減の5億6,100万円となった。

「IT」の売上高は、前年同期(25億5,200万円)比8.6%減の23億3,300万円。セグメント利益は、原価の削減効果はあったが、広告収入の減少により、前年同期(7,000万円)比37.3%減の4,400万円の利益となった。

(音楽)
■メディア事業
ムックの刊行タイトルの増加により販売収入が増加、既刊書籍の堅調な出荷に加え、楽器購入者向けの購買支援サイト「楽器探そう!デジマート」における楽器店からの登録料収入などが堅調に推移したことにより、出版広告や雑誌および新刊書籍の出荷規模縮小を補った。また、雑誌読者や音楽プレイヤーを対象としたイベント開催などによる収入も増収に寄与した。
以上により、「音楽」の売上高は、前年同期(11億7,500百万円)比0.3%増の11億7,800万円となった。セグメント利益では、増収効果に加えて原価の削減効果により、前年同期(4,300万円)比52.0%増の6,600万円の利益となった。

(医療)
■メディア事業
前第3四半期連結会計期間において、医療セグメントの事業が「連結子会社が営む事業」から「持分法適用会社が営む事業」に位置付けが変更となったことにより、当第2四半期連結累計期間における同セグメントの売上高は、前年同期(25億5,100万円)に比べ、25億5,100万円減少した。持分法投資損益を含むセグメント利益では、前年同期(3億4,700万円)に比べ、3億8,500万円利益が減少し、3,800万円の損失となった。

(山岳・自然)
■メディア事業
大型の季節商品であるカレンダーの出荷規模が増加、雑誌・ムック広告が堅調に推移したが、書籍を中心に刊行タイトルが減少したことに加え、前年同期の売上に寄与した大型の受託案件等の特殊要因がなかったことが影響し、減収となった。一方、前連結会計年度より取り組んでいるデジタル事業については、山と女性をつなぐアウトドア誌の電子化事業による収入や登山情報サイトの広告収入を中心に堅調に推移している。
以上により、「山岳・自然」の売上高は、前年同期(12億9,600万円)比5.4%減の12億2,600万円となった。セグメント利益は、原価及び販管費の削減により、前年同期(2億2,900万円)比12.4%増の2億5,700万円となった。

(モバイルサービス)
携帯電話向けサービスの会員課金収入およびデジタルコミック配信サイトの運営受託収入が堅調に推移し、「東京IT新聞」の広告収入も増収となった。以上により、売上高は、前年同期(3億5,700万円)比9.1%増の3億9,000万円となった。セグメント利益では、不採算事業の整理や固定費等のコスト削減により、前年同期(1,800万円の損失)に比べ3,100万円利益が増加し、1,300万円の利益となった。

(その他)
事業構造改革に伴う不採算事業の撤退の影響や子会社株式の売却による連結の範囲変更もあり、売上高は、前年同期(2億6,300万円)比69.1%減の8,100万円となった。セグメント利益では、不採算事業の撤退に伴う固定費等のコスト削減により、前年同期(1,300万円の損失)に比べ1,500万円利益が増加し、200万円の利益となった。