テレビ朝日、売上高前年同期比1.8%減も、売上原価などの減少により増益 平成24年3月期第1四半期決算

株式会社テレビ朝日は、平成24年3月期第1四半期決算を発表した。

<平成24年3月期第1四半期の連結業績>
(平成23年4月1日~平成23年6月30日)
売上高:573億4,300万円(前年同期比 1.8%減)
営業利益:28億4,700万円(同 20.3%増)
経常利益:37億8,100万円(同 14.8%増)
四半期純利益:21億8,000万円(同 54.8%増)

テレビ放送事業はもとより音楽出版事業やその他事業においても収益確保に努め、売上高は前年同期比1.8%減となったものの、売上原価、販売費および一般管理費の合計が544億9,500万円と前年同期より2.8%減となった結果、増益となった。

セグメントの業績は、次のとおり。

<テレビ放送事業>
タイム収入については、企業の業績回復を受けて安定したCM枠の確保を図る動きが出てきた。4月改編において以前よりアドバタイザーの関心が高かった「もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!」をネットタイムセールスに変更して増収を達成した。さらに「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」「そうだったのか!学べるニュース」などの視聴率が好調なレギュラー番組の単価の上昇を図った。その結果、レギュラー番組のセールスは前年同期に比べ増収となった。一方、単発番組についても、視聴者の注目度の高い「SMAPがんばりますっ!」やレギュラー拡大特番などを編成して売上を確保したが、東日本大震災の影響で国内ゴルフの「ヤマハレディースオープン葛城」や「世界フィギュアスケート国別対抗戦2011」が中止になったことに加え、前年同期の「2010FIFAワールドカップ南アフリカ」の反動減を取り戻すには至らず、減収となった。以上の結果、タイム収入合計は203億1,900万円(前年同期比4.6%減)となった。
スポット収入は、東日本大震災が、アドバタイザーの商品生産・供給網に影響を与えた結果、市況は急激に停滞した。業種別では、被災度が比較的高かった「食品」「輸送機器」「電気機器」「金融・保険」などをはじめ、9業種が前年同時期を下回ったが、コンビニエンスストアなど小売店各社の積極出稿があった「卸売」「家庭用品」「住宅・建材」「薬品」など7業種が堅調に推移した。以上の結果、スポット収入は204億8,900万円(同8.7%減)となった。
また、番組販売収入は31億5,000万円(同4.5%増)、その他収入は48億7,200万円(同5.2%増)となった。
以上の結果、テレビ放送事業の売上高は488億3,100万円(同4.9%減)、営業費用が471億3,200万円(同5.5%減)となりました結果、営業利益は16億9,800万円(同14.6%増)となった。

<音楽出版事業>
「ケツメイシ」の全国各地でのコンサートツアーや、音楽著作権の管理事業等が好調に推移したことにより、音楽出版事業の売上高は36億8,000万円(前年同期比112.9%増)となった。また、営業費用は30億9,700万円(同113.9%増)となった結果、営業利益は5億8,300万円(同107.5%増)となった。

<その他事業>
DVD販売は好調に推移したものの、東日本大震災の影響などによりショッピング事業が低調に推移したことや、前年同期に「ボストン美術館展」があったイベント事業の反動減などにより、その他事業の売上高は68億6,000万円(前年同期比6.9%減)、営業費用は63億円(同6.8%減)となった結果、営業利益は5億6,000万円(同8.4%減)となった。

なお、テレビ朝日では、タイム収入が当初見込みを上回る水準で推移したことや、収入増およびコストコントロールによって、平成23年4月28日に公表した業績予想を上方修正している。

<平成24年3月期第2四半期(累計)連結業績予想数値の修正>
(平成23年4月1日~平成23年9月30日)
売上高:1,147億円(前回予想より9億円増、0.8%増)
営業利益:25億円(同 13億円増、108.3%増)
経常利益:36億円(同 15億円増、71.4%増)
四半期純利益:21億円(同 10億円増、90.9%増)