スターツ出版、1億円を超える増収増益 「オズモール」などネット広告事業好調

スターツ出版株式会社は、平成22年12月期決算を発表した。

<22年12月期の業績>
(平成22年1月1日~平成22年12月31日)
売上高:35億2,2000万円(前期比 5.1%増)
営業利益:2億9,800万円(同 73.6%増)
経常利益:3億2,100万円(同 57.3%増)
当期純利益:1億8,500万円(同 64.6%増)

売上高は1億6939万の増収、営業利益は1億2638万円の増益、経常利益も1億1715万円の増益となっている。

事業部門別の業績は次のとおり。

<雑誌事業>
女性向け有料雑誌「オズマガジン」やフリーマガジン「メトロミニッツ」、書籍「ケータイ小説」などを中心に事業を展開。月刊誌のオズマガジンは、販売売上は若干減少したものの前事業年度とほぼ同水準を維持した。しかし、広告売上の面においては「オズウエディング」などの定期誌を休刊させたことや、フリーマガジンにおける広告がやや低迷したことから、雑誌広告全体の売上としては減少した。一方、書籍などの販売においては、自社で運営するケータイ小説投稿サイト「野いちご」から、中高生が気軽に購入できる文庫サイズの商品を毎月コンスタントに発行することで順調に売上を伸ばした。このような営業活動の結果、広告売上は大きく減少したが、書籍売上が順調に拡大し、雑誌事業全体における売上高は14億400万円(前期比8.7%減)となった。

<インターネット事業>
インターネット事業においては、女性向けウェブサイト「オズモール」内に掲載している施設へ送客する手数料事業の「プレミアムコンテンツ」シリーズを中心に事業を展開した。モバイルサイトやスマートフォンアプリの運営も自社で行っており、オズモールの利用率を増加させることにも成功している。インターネット事業における広告売上もオリジナルのタイアップ商品を中心した提案型の営業や、メディアをミックスした企画が奏功し、前事業年度実績を上回ることができた。このような営業活動の結果、インターネット事業の売上高は14億7,400万円(前期比26.7%増)となった。

<地域情報紙事業>
東京都東部及び千葉県西部を中心とした地域情報紙(フリーペーパー)「アエルデ」の広告掲載営業活動と企業のパンフレットなどの販促物の制作請負を行う事業を継続して展開した。「アエルデ」においては、地域の街に密着した飲食店などの情報をクーポン型の広告として掲載する広告営業活動を継続して行って、より一層地域における深耕営業を強化したが、景気低迷の影響から広告出稿に慎重になるクライアントも多く発生し、全事業年度と比較すると、売上は微減。一方、販促用の企画印刷物などの受注売上は提案営業を積極的に実施した結果、前事業年度と比較すると増加した。このような営業活動の結果、地域情報紙事業の売上高は6億4,300万円(前期比1.0%減)となった。

今後の基本戦略として、スターツ出版は、「可処分所得が高くアクティブな東京OL」をコアとするマーケティング活動、東京OLから繋がる母親・彼氏や全国ティーン読者から大人読者へのターゲット拡大、雑誌+Web&Mobile+新デバイス&動画+SNS+リアルイベントの連動展開を上げている。連動展開に関しては、雑誌とさまざまなデバイスを連動させ、動画やSNS、リアルイベントを組み合わせて新たな広告価値の創造を目指しているという。