博報堂、「スマートグリッドに関する生活者調査」を実施 認知は3割超、実現は「15年以内」が半数
株式会社博報堂は12月17日、「スマートグリッドに関する生活者調査」の結果を公表した。博報堂の企業内大学「HAKUHODO UNIV.(通称:博報堂大学)」の次世代電動生活研究ゼミが主体となり、全国の20~60代男女400名を対象に、2010年11月下旬にアンケート調査を実施した。
「スマートグリッド」とは、人工知能やネットワーク機能を搭載した計測機器により、電力需給を自動的に調整できる次世代電力網のこと。今回の調査結果では「スマートグリッド」についての認知は36.7%となり、まだ半数以上の人が「知らない」状態であることが判明した。一方「スマートグリッド」についての説明をした上で生活者に質問をしてみると、8割近くの77.3%が「魅力的」と回答した。理解や認知が高いほど、魅力度も上がる傾向が見られた。
スマートグリッドの実現については、約半数が「15年以内」と予想。スマートグリッドへの投資について「賛成」なのは半数程度だった。ただし、スマートグリッドという言葉の意味を理解している層は、7割以上が賛成となり、「スマートグリッド」の理解推進が重要なことが伺える。
スマートグリッドが、現在「もっとも進んでいる国がどこだと思うか」については「アメリカ」「スウェーデン」「ドイツ」の順となり、日本は5位。しかしながら、「10年後にもっとも進んでいる国はどこか」については、「日本」「アメリカ」「スウェーデン」となり、日本がトップとなった。現在は、欧米にリードされて入るものの、いずれ日本がトップになるのではないかという日本人の「期待」が感じられる。
また今後、日本でスマートグリッドを進めていく上で、中心になっていく業界や企業については、「中心になっていく業界」では「電力会社」が圧倒的にトップで、72.7%が選択。続いて、「製造業(電気)」「情報通信業」となった。また、中心になっていく企業は、「地球環境に気を配っている」「技術力のある」「新分野に進出している」というイメージが高まることもわかった。スマートグリッド以外の「新エネルギー、創エネルギー関連の商品やサービス」についてそれぞれの認知率、理解率を調べたところ、「電気自動車」「風力発電」「ハイブリッドカー」「太陽光発電」は認知率が9割以上となり、また理解率も7割を超えていた。一方で、「スマートハウス」「スマートメーター」については、認知率はそれぞれ36.2%、43.3%で理解率は1割程度となり、まだまだ一般生活者に浸透した言葉や概念ではないことがわかった。