TYO決算発表、エンタテインメント事業売却で売上減も利益増 連結子会社の吸収合併で財務基盤の強化を進める

株式会社ティー・ワイ・オーは9月24日、平成22年7月期決算を発表した。また、同日の取締役会において、10月22日開催の第29
期定時株主総会で承認されることを条件に、連結子会社でWebコンテンツの企画・制作を担う株式会社コラボをを吸収合併することを決定。TV-CMからWeb、プロモーションメディアまでをトータルプロデュースできる体制を整えている。合併予定日は平成22年12月1日の予定。

<22年7月期の連結業績>
(平成21年8月1日~平成22年7月31日)
売上高:264億9,200万円(対前期 10.1%減)
営業利益:9億2,600万円(同 130.6%増)
経常利益:5億8,400万円(同 365.3%増)
純利益:▲3億2,200万円(前期は18億5,600万円の損失)

広告映像事業のTV-CM部門が好調に推移するも、エンタテインメント事業や不採算事業からの撤退やてこ入れを図るために株式会社円谷プロダクションや株式会社デジタル・フロンティアをフィールズ株式会社に譲渡したため、売上高が前期より10%減となっている。しかし、全社的なコスト削減施策が奏功し、営業利益および経常利益が大幅増となった。また、総売上高は前期比で減少しているが、既存事業売上高で比較すると伸長しているという。前連結会計年度において120億円あった有利子負債も、当連結会計年度において90億円程度にまで圧縮している。
当期純損失については、上述の株式譲渡による特別利益を計上するも、前連結会計年度においてゲームソフト部門から撤退したこと、厚生年金の脱退、並びに投資有価証券の売却に伴う特別損失の影響等により、3億2,200万円の損失となった。

事業セグメント別の概況については、以下のとおり。

<広告映像事業>
売上高:182億6,700万円(対前期 8.6%増)
営業利益:13億4,400万円(同 53.4%増)

広告映像事業全体では、売上高、利益共に業績目標を達成。TV-CM部門では広告主/広告代理店による制作発注が大手制作会社へ集中したことにより、競争力が相対的に強まった。マーケティング・コミュニケーション部門は、クライアントによる広告宣伝費用および販売促進費削減の影響を大きく受けた結果、売上高・利益ともに目標未達となり、連結利益の減少要因となった。

<Web事業>
売上高:20億8,900万円(対前期 8.3%増)
営業利益:▲5,600万円(前期は200万円の損失)

クライアントの広告宣伝費およびマーケティング予算が縮小する中、単価の下落等の影響を大きく受け、売上高・利益ともに目標未達となった。

<インターナショナル事業>
売上高:13億4,700万円(対前期 6.1%減)
営業利益:▲4,700万円(前期は1億4,900万円の損失)

インターナショナル事業全体では、売上高、利益共に業績目標未達となった。

<エンタテインメント事業>
売上高:46億2,900万円(対前期 47.6%減)
営業利益:▲5,900万円(前期は4,200万円の損失)

円谷プロダクションおよびデジタル・フロンティアの株式譲渡の影響を大きく受け、売上高・利益ともに業績目標未達となった。CG部門は堅調に推移したが、アニメーション部門では第2四半期までの案件の失注などの影響による売上高の減少により、利益目標も未
達となった。

<コンテンツ・ソリューション事業>
売上高:20億8,800万円(対前期 28.3%増)
営業利益:2億3,000万円(同 366.4%増)

広告映像事業のTV-CM部門の好調により、売上高・利益ともに業績目標を達成。機材発注や仕入れ業務を当事業で一括で行うことで、TV-CM部門のコスト競争力を高めている。