「シニア層はネットで消費行動とコミュニケーションを活性化」DENTSUデジタルシニア・ラボが発表

株式会社電通と東京大学(大学院情報学環の橋元良明教授)との産学共同研究組織「DENTSUデジタルシニア・ラボ」は9月15日、定量調査の結果を発表した。
同ラボでは、過去に実施してきた数多くのグループインタビュー調査に加え、このたび60代を対象に質問票による定量調査を実施。その結果、ネットを積極的に利用しているシニア(デジタルシニア)とネットをまだ利用していないシニア(非デジタル層)について、さまざまな差異があきらかとなったとのこと。

まずデジタルシニアは、外食・旅行などの消費行動や株式・投資信託等の財テクにおいて非常に積極的。たとえば、年間10万円以上旅行に費やす人の割合は、デジタルシニアが33.0%、非デジタル層では18.5%。また、デジタルシニアは新商品や話題の店などへの関心も高かった。「新製品や新サービスを利用するのが人より早い」と答えた人の割合は、デジタルシニアが22.0%、非デジタル層が10.5%となった。

またデジタルシニアは社交性が高いうえ、周囲の人々に対し積極的に情報発信を行う傾向が強い。「社交的な集まりにはよく出かける」人の割合は、デジタルシニアが36.5%、非デジタル層は24.0%という結果であり、「新しい情報はすぐに他人に教えてあげる」という人の割合は、デジタルシニアが56.0%に対し、非デジタル層では40.0%となった。

そしてデジタルシニアでは、「ネットを使うようになったことにより家族とのコミュニケーションが増えた」と感じている人が15.5%存在。また、趣味や社会貢献など何らかの「熱心な活動」に従事している人の割合では、デジタルシニアが53.5%に対し、非デジタル層では38.0%という結果。そして、「生きがいとよべるものがある」人の割合は前者が76.5%、後者が67.5%、また「幸福感を感じる瞬間が多い」人の割合は、前者が81.5%、後者が69.0%と、いずれも前者が後者に勝った。

ラボでは、今回の調査から、デジタルシニアの市場としての有望性やネット利用とアクティブなシニアライフとの強い関連性などがあきらかになったとしている。今後、デジタルシニア人口の推計や高齢者のデジタル化促進施策の検討、シニア向けデジタル商品開発のコンサルなどに着手する予定。

■リリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010083-0915.pdf

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