パス、2025年3月期決算を発表 利益面はいずれも赤字幅拡大

パス株式会社は、2025年3月期通期の連結業績(2024年4月1日~2025年3月31日)を発表した。
 
【連結経営成績】
売上高  :22億5300万円(前期比 2.9%減)
営業利益 :マイナス2億800万円(前期 マイナス1億7200万円)
経常利益 :マイナス2億2800万円( 同 マイナス1億6800万円)
当期純利益:マイナス2億7600万円( 同 マイナス1億7500万円)

同連結会計年度は、成長戦略事業として、マーケット・エクスパンション事業及びAI・テクノロジー事業並びにインベストメント事業を新規に開始した。これに伴いマーケット・エクスパンション事業を展開する戦略子会社として株式会社RIDOSを2024年11月に設立、さらにAI・テクノロジー事業を展開するため、株式会社三和製作所と業務提携を経た上、2025年2月に株式交換により完全子会社化を完了した。
 
主なセグメントの業績を見てみると、コスメ事業では、「EX:BEAUTE」ブランドの冷感コスメシリーズが大きく販売数を伸ばした。また、同ブランドの薬用メイクシリーズについては、リリース後1年間でブランド実績が143%伸長するなど販売が好調だった。このほかリテール販売については、過年度におけるリピーター層へのマーケティング施策が不充分であったことが影響し、当初の売上予算を下回り、モール販売とのトータル売上においては、前連結会計年度比において微増にとどまった。

一方で、粗利率の高いモール売上の割合が増加したことにより、売上総利益については、前連結会計年度と比較しておおよそ10%程度増加。費用面においては、人件費が当初の予算を下回ったものの、従来からのリピーター層に対する掘り起こし施策実施による販売促進費が増加したためおおむね予算通りとなり、前連結会計年度との比較においては微減となっている。これらの結果、同事業の売上高は7億9871万円(前期比4131万円増)、営業損失4391万円(前期は1億1081万円の営業損失)となった。
 
ビューティ&ウエルネス事業に関しては、前連結会計年度で取り扱っていたメーカー製のウエルネス機器の取引契約が終了したことを主な要因として、売上高は前連結会計年度比で微減。一方、前連結会計年度と比較して、売上高に占める自社商品の販売割合が増加し粗利率が向上したことにより、売上総利益は増加した。費用面においては、主に今後の成長戦略の施策としている販売チャネルの拡大へ向けた人件費の増加により、販売費及び一般管理費が前連結会計年度と比較して、おおよそ12%増加した。これらの結果、同事業の売上高は10億4328万円(前期比6774万円減)、営業利益4203万円(前期比335万円増)となっている。
 
なお、2024年11月より開始したマーケット・エクスパンション事業では、SNSやライブ配信プラットホームにて活動するライバーやタレントのマネジメントを行い、その影響力を活用して商品やサービスを効果的にプロモーションする「リアルライブ」、「ライブコマース」や「インフルエンサー・マーケティング」に特化した事業展開をすすめることで、同社グループの各事業セグメント間のシナジーを更に強化するとともに、他社の広告代理の請負についても行うことを予定しているという。
 
〈今後の見通し〉
2026年3月期の業績については、売上高44億1900万円、営業利益2400万円、経常利益1300万円、当期純利益1100万円を見込んでいる。
 
 
■リリース
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250513547022.pdf