矢野経済研究所、自然派・オーガニック化粧品市場に関する調査を実施 2021年度の市場規模は前年度比110%超

株式会社矢野経済研究所は、国内の自然派・オーガニック化粧品市場を調査を実施したと発表した。
自然派・オーガニック化粧品の国内市場規模推移と予測

2021年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比110.9%の1642億円と推計。2021年度の調査では、2020年度の市場規模については前年度割れと推計したが、今回調査において微増だったと修正した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う店舗休業や時短営業によるマイナス要因を、ECがカバーしたことが主因だと考えられる。これは、既存・新興ブランド両方で共通した傾向だった。2021年度においては、大きく業績を伸ばした企業が散見され、二桁の伸長率となった。サステナブルを意識したライフスタイルを目指す消費者が増えていること、敏感肌を自覚する女性が増加していることに加え、一般化粧品に求められる機能を有するナチュラル・オーガニック化粧品が多く流通するようになったことなどから、その市場性は当面維持されると考えられる。

 

注目すべきトピックとしては、「販路のマルチチャネル化」がある。従来、自然派・オーガニック化粧品には、ブランドがその世界観やストーリーを伝え、そのコンセプトに共感しユーザーになっていくという流れがあったため、それらを直接伝えられる直営店を主としたチャネル戦略がとられてきた。しかし今回の調査では、ECを主チャネルとして製品開発を行い、100億円規模の企業へと成長したところで直営店展開を開始するという事例があった。他にもドラッグストアやコンビニエンスストアといったチャネル展開を主力としたブランドが出てきており、販路の広がりが当該市場の拡大へと寄与することが期待される。

 

2022年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模は、2021年度の反動減をやや受けながらも堅調に推移するとみられ、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比102.9%の1,690億円を予測している。
調査の概要は以下の通り。

 

調査期間:2022年8月〜10月
調査対象:自然派オーガニック化粧品メーカー、販売代理店、小売店、関連団体等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、eメールによる調査、ならびに文献調査併用