[特集記事]広告不況を生き残るために~今、広告業界で業績が上がっている企業がやっていること~

株式会社船井総合研究所 広告・印刷ビジネスチーム
チームリーダー 岩邊久幸氏

今回は特集として、今の広告業界で起こっていること、それからそんな中でも業績を伸ばしている企業が何をやっているのか?を(上)(下)2回でお届けします。
(上)では、業績がいい企業がさらに伸び、悪い企業が淘汰されつつある現状から、果たして今各広告媒体はどういった状況にあるのか?を整理。
(下)では、具体的な事例をもとに成功している企業が実際に何をしているのか?を紹介します。(杉山)

1.業績が良い企業と悪い企業の2極化

2008年前半の原油高による原価の高騰、そして2008年9月のリーマンショックのために、クライアントの業績が急激に落ち込み、10月以降の広告業界を取り巻く現状は予断を許さない状況になっています。

上記は、弊社船井総研のご支援先の売上実績です。2008年度の昨対実績と2009年第一四半期の実績を比較すると、大きく3パターンに分かれました。

Aパターン:2008年度実績が昨対105 ~ 110%と堅調に推移していた企業は、今年に入って、昨対同月比120 ~ 130%と絶好調。
Bパターン:2008年度実績が昨対100 ~ 105%と横ばいだった企業は、今年に入って、昨対同月比90 ~ 100%と苦戦中。
Cパターン:2008年度実績が昨対90 ~ 100%と苦戦していた企業は、今年に入って、昨対同月比75 ~ 90%と大苦戦。

これらを見ると、“100年に一度の不況期”と広告業界に関わらず世界が未曾有の不況期を迎えているわけですが、各社の実績を見ると、業績が良い企業と悪い企業の差がはっきりと2極化していることが分かります。

2.今、広告業界で業績が上がっている企業がやっていること

 では、今広告業界で業績が上がっている企業はどのような取り組みをしているのでしょうか?

 業績が上がっている企業が実行していることは、大きく3点です。

① 時流適応
② エンドユーザー(一般消費者)密着と商品化
③ カタログとWEBを利用したインバウンド戦略

①時流適応

当然のことですが、「今よく流行している商品・商材」を取り扱えば、簡単に売れます。今業績が上がっている広告会社は、今どのようなソリューションが売れているというのを、月次で管理し、把握しています。それによって、「今は、○○の問合せがたくさんあるから、これをメインに提案していこう!」とか、「最近、よく○○が受注できているから、云々」といった会話が打ち合わせで頻繁に出てきます。

では、今どのような商材がよく出ているでしょうか?下図のライフサイクルをご覧ください。

ライフサイクルとは、「商品や商売の栄枯盛衰を表すグラフ」のことです。
人間に、赤ん坊からお年寄りまで栄枯盛衰があるように、商品や商売にも栄枯盛衰がございます。

ライフサイクルを見ていくうえで、必ず押さえておかなければいけないことがあります。それは、「成熟期の転換点を境に、需要と供給のバランスが逆転する」ということです。上述の今よく売れている商材というのは、導入期・成長期の商材のことを言います。

私のご支援先は、毎月のカテゴリー別売上管理を行いながら、「どの商材が今成長期に入り、どの商材が成熟期・展開期に入ったか」というのをいち早く察知して、クライアントに対する提案内容を変えています。そうすることで、いくら広告業界が不況といっても、業績を上げ続けることが可能になるのです。

具体的に、今よく出る商材は、サンプリングやポスティングといった配布メディアとモニタリングやグループインタビュー・ミステリーショッパーといったリサーチ系、そして新しいメディアであるインストアメディアがよく受注できています。これらの商材の特徴は、「エンドユーザー(一般消費者)と密着した媒体・ソリューション」と言えることができます。

②エンドユーザー密着と商品化

上記のように、エンドユーザーと密着した商材・ソリューションが売れています。よって、「そういった商材を取り扱う」又は「そういう商材を開発する」ということが重要になります。
その際、ポイントは「エンドユーザーといかに密着するか」ということです。私のご支援先の広告会社様には、フリーペーパーの発行をオススメしています。フリーペーパーや雑誌等の所謂紙媒体は、読者イメージが明確になっております。例えば、「○○エリア後半の女性」とか、「留学生」といったイメージです。
これらの読者を会員化し、アンケートを取ったり、グループインタビューに参加していただいたり、また発行媒体ルートに乗せて、サンプリングをする。これらを全て商品化していっています。

また、自社媒体を持ちたくない、持てないといった企業様もいらっしゃいます。そのような企業様は、このようなルートをお持ちの企業様と共同で媒体開発をしていただいております。例えば、ファミレスやSCのインストアメディアや百貨店の会員誌ルートといったBTOC企業の顧客ルートを利用した媒体・ソリューションの開発ということです。

[特集記事]広告不況を生き残るために~今、広告業界で業績が上がっている企業がやっていること~(下)では、具体的な事例をもとに成功している企業が実際に何をしているのか?を紹介。


<著者の紹介>
株式会社船井総合研究所 広告・印刷ビジネスチーム
チームリーダー 岩邊久幸
ご質問・ご相談 hisauki_iwanabe@funaisoken.co.jp

岩邊氏のプロフィールは ⇒ こちら

<関連Web>
「広告業界革命ブログ」


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