CCI、デジタルインファクトと共同でデジタルサイネージ広告市場調査を実施

株式会社CARTA HOLDINGSのグループ会社である株式会社サイバー・コミュニケーションズ(以下CCI)は、株式会社デジタルインファクトと共同で、デジタルサイネージ広告市場(※)に関する調査を実施した。その結果、2019年のデジタルサイネージ広告市場規模は、対前年比113%の749億円の見通しとなり、2023年予測は、2019年比1.7倍の1,248億円となった。
スマートフォンの普及による生活者の消費行動の変化や、企業サービスのデジタルトランスフォーメーションの進展とともに、公共サービスや商業施設、屋外などにおいてデジタルサイネージの普及がみられる。また、国内のサイネージが関連する広告市場においては、ITテクノロジーとサイネージを活用し、直接的な広告効果が可視化された広告プロモーションに対する需要の高まりがみられるという。
デジタルサイネージ広告市場は、配信先である多くのデジタルサイネージのロケーションオーナーや、多くの運営事業者、広告会社によって構成されており、その広告枠の規格や出稿にかかわる業務フローは多種多様。現在開発が進められている広告効果の可視化や、広告主がユーザーとコミュニケーションを図る上で魅力的な空間や場所に広告枠が設置され、出稿しやすい環境整備などが進むことにより、新しいプロモーション需要が生みだされることが期待されている。
同社は、これらを背景にデジタルサイネージ広告の魅力が高まり、さらに多くの広告主の利用が促進されることで、2023年のデジタルサイネージ広告市場規模は2019年比約1.7倍の1,248億円規模に達すると予測した。
調査結果の概要は以下の通り。

●2019年セグメント別デジタルサイネージ広告市場規模推計
2019年のデジタルサイネージ広告市場規模は749億円と推測。このうち、交通機関は480億円で全体の64.1%、商業施設・店舗は98億円で全体の13.1%、屋外は87億円で全体の11.6%、その他は84億円で全体の11.2%を占めると推測される。

●交通
鉄道車両や駅施設、タクシー、バス、空港、航空機など。鉄道車両は2000年代前半より首都圏で普及が始まり、その後関西圏をはじめとする都市圏での普及が進み、テレビやスマートフォンなどとの連動した表現力豊かなプロモーション手法として、多くの広告主からの需要を得ている。駅関連施設は主要ターミナル駅における再開発や施設の改良を機に大型サイネージの導入が進んでおり、バス(車両・バス停)、空港施設などは、自治体との取り組みの進展、施設の民営化などにより今後中長期で着実な普及が見込まれる。

●タクシー
2016年以降、タクシー事業者と広告事業者との事業連携が進み、首都圏を中心に急速な普及がみられた。法人向けサービスを提供する広告主からの高い支持を受け、需要が急増。22023年には2019年比約3倍の75億円規模に達すると予測される。

●商業施設・店舗
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストア・薬局をはじめとする小売店やショッピングモール、美容室、飲食店など。小売店においては、来店客の導線に沿って、店舗入り口、食品売り場、その他商品陳列棚などでデジタルを活用し、顧客と最適なコミュニケーションを行うことに対する店舗運営者や広告主の注目が高まっている。顧客が持つスマートフォンとの連携などによる、多様なプロモーション手法の登場に対する期待も高まりつつあり、滞在時間が長い美容室や飲食店などでも、顧客と広告主との新たな接点としてデジタルサイネージが注目を集めている。

●屋外
主要ターミナル駅を中心とした安定した需要に加え、今後広告効果の可視化やネットワーク化が進むことにより広告媒体としての魅力がさらに高まり、新たな需要の掘り起こしにつながることが期待される。

●その他
エレベーターや大規模マンションなどにおいては、ロケーションオーナーによる導入コストの負担がないスキームを新規事業者が持ち込み、普及促進を図るなどの動きがみられるほか、映画館(シネアド)については、近年映画館の入場者数が増加しており、プロモーション活動も活発化することが期待されている。

〈調査概要〉
デジタルサイネージ広告を「交通機関/商業施設・店舗/屋外(OOH)/その他」の4つに分類、2019年の市場規模の推計と2023年までの予測を実施

調査対象:デジタルサイネージ広告関連事業者
調査手法:CCIならびに、デジタルインファクトが保有するデータ、公開データ、デジタルサイネージ広告事業にかかわる企業へのインタビュー調査
調査時期:2019年8月-10月
調査主体:株式会社サイバー・コミュニケーションズ
調査実施機関:株式会社デジタルインファクト

※デジタルサイネージ広告とは、公共機関、商業施設、屋外などに設置されたデジタルで稼働するサイネージ上に表示される広告。デジタルサイネージの設置者及び関係者を除く、第三者が広告宣伝活動などを目的に費用を支払うことで利用が出来るものを対象とする。市場規模は、広告主によるデジタルサイネージ広告媒体に対する年間支出総額とする。一部、商取引上媒体費と制作費が不可分とされているものを除き、媒体費のみを対象とする。