大日本印刷、2019年決算は減収増益ながら、壁紙製品の不具合などで純利益に大幅赤字を計上

大日本印刷株式会社は、2019年3月期(2018年4月1日~2019年3月31日)の業績を発表した。

【連結経営成績】
売上高   :1兆4015億0500万円(前年同期比 0.8%減)
営業利益  :498億9800万円( 同 7.6%増)
経常利益  :582億5900万円( 同 14.3%増)
当期純利益 :マイナス356億6800万円(前年 275億0100万円)

出版関連事業では、出版メディア関連の売上高は書籍・雑誌とも減少したが電子書籍が順調に推移。図書館運営業務で大型図書館の新規受託もあったが、子会社の株式会社主婦の友社の全保有株式を譲渡した影響があり、事業全体では減収となった。情報コミュニケーション部門としては、売上高7623億円(前期比2.1%減)、営業利益は248億円(前期比14.2%増)だった。
生活・産業部門では、包装関連事業・生活空間関連事業が減収だったが、車載用途のリチウムイオン電池用バッテリーパウチが大幅に増加したため、産業資材事業全体では増収となった。しかし、原材料価格高騰による影響が大きく、部門全体の売上高は3971億円(前期比0.7%増)、営業利益は83億円(前期比30.9%減)だった。
エレクトロニクス部門は堅調で、部門全体の売上高は1924億円(前期比2.0%増)、営業利益369億円(前期比8.2%増)だった。
これにより全体ではほぼ横ばいの減収ながら利益は堅調に増加した。ただし、壁紙製品の一部に生じた不具合への補修対策について、追加的補修対策費用750億円を計上して補修対策計画の見直しを行っている。また前年の投資有価証券売却益449億6400万円に対し今期は180億2500万円に留まっている。これらにより、当期純利益は前年の黒字から大きく赤字となっている。