大日本印刷 1Q決算 出版・商業印刷では前年上回るも全体では低調

大日本印刷株式会社は、平成25年3月期第1四半期決算を発表した。

<平成25年3月期第1四半期の連結業績>
(平成24年4月1日~平成24年6月30日)
売上高:3,529億4,900万円(前年同期比4.7%減)
営業利益:25億5,600万円(同 65.6%減)
経常利益:38億700万円(同 65.6%減)
四半期純利益:▲42億1,100万円(前年同期は43億7,400万円の利益)

部門別の状況については、以下のとおり。

【印刷事業】
・情報コミュニケーション部門
出版印刷関連は、出版市場の低迷が続くなか、雑誌は減少したものの、一貫製造ラインの増強が寄与して書籍が増加し、前年を上回った。
商業印刷関連は、積極的な営業活動によりチラシ、カタログ、POPなどが増加し、前年を上回った。
ビジネスフォーム関連は、通信系や電子マネー向けのICカードなどが好調に推移したが、パーソナルメールなどのデータ入力から印刷・発送までの業務を行うIPS(Information Processing Services)が減少し、前年を下回った。
教育・出版流通事業は、図書館向け書籍の販売などが堅調に推移し、前年を上回った。
その結果、部門全体の売上高は1,775億円(前年同期比2.9%増)、営業利益は37億円(前年同期比107.8%増)となった。

・生活・産業部門
包装関連は、紙器、フィルムパッケージなどが減少したが、ペットボトル用無菌充填システムなどが増加し、前年を上回った。
住空間マテリアル関連は、DNP独自のEB(Electron Beam)コーティング技術を活かした環境配慮製品などが増加し、前年を上回った。
産業資材関連は、リチウムイオン電池用ソフトパックや太陽電池用封止材などのエネルギー関連部材が増加したが、薄型ディスプレイ用反射防止フィルムが減少し、前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は1,273億円(前年同期比2.9%減)、営業利益は48億円(前年同期比43.5%減)となった。

・エレクトロニクス部門
液晶カラーフィルターは、スマートフォンやタブレット端末向けの中小型品が好調に推移したものの、液晶テレビの世界的な販売の伸び悩みから大型品の不振が続き、前年を下回った。
電子デバイス関連は、半導体市場の厳しい状況が続くなか、モジュール製品やエッチング製品が増加したものの、フォトマスクが減少し、前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は427億円(前年同期比25.6%減)、営業損失は34億円(前年同期は2億円の営業損失)となった。

【清涼飲料事業】
・清涼飲料部門
個人消費が低調に推移し、販売競争が激化する厳しい状況のなかで、主力商品の「コカ・コーラ」「ジョージア」のほか、国内最軽量ボトル「ecoる ボトル しぼる」を使ったミネラルウォーター「い・ろ・は・す」の販売拡大に努めた。
その結果、コーヒー飲料、ティー飲料が増加し、部門全体の売上高は117億円(前年同期比1.2%増)、営業損失は5億円(前年同期は2億円の営業損失)となった。