『新ブラックジャックによろしく』佐藤秀峰氏、紙媒体に見切り 出版社の赤字は100億以上

漫画『新ブラックジャックによろしく』の著者、佐藤秀峰氏が自身のウェブサイトで、「紙媒体はもうダメだ」と語り、話題を集めている。

制作中のオンラインコミック総合サイト『漫画onWeb』や、同氏のネットでのコミックコンテンツ販売についての記載の中で以下のように語っている。

「「漫画onWeb」について、いろいろなご意見があることは事実ですが、賛否ともに共通している認識がひとつあります。
それは、「紙媒体はもうダメだ。」と言うことです。

僕の活動に賛成の方は「紙はもうダメだから、あなたの活動を応援します」と言ってくれます。
反対の方は「紙はもうダメだけど、あなたの活動が正解だとは思わない」と言います。」

同氏は自身のコンテンツをネット上で提供。
赤字覚悟でのぞむつもりが、売上は思いのほか安定しており、1日の売上が59,000円という。
このほか、広告のイラストやインタビューなど出版社が取次がないタイプの仕事依頼もサイトから入るようになり、既に自身のWebサイトと「漫画onWeb」の制作費も回収したという。

また、同氏は出版社についてサイトで以下のように語っている。

「昨年、数十億円の赤字を出したある大手出版社は、漫画や活字、ファッション誌などを合わせて70誌程の雑誌を出しておりますが、その内、60誌以上の雑誌が赤字です。
皆さんも名前を聞けばよくご存知のメジャーな雑誌が、年間10億とか15億の赤字を出しています。

書籍を見ると、全書籍の売り上げのトップ10は、すべて漫画の単行本が占めており、今年はそのトップ10内に入っていた漫画作品のうち、3つが連載終了となっています。
そして、それに替わるヒット作は出ていません。
恐らく今年は100億以上の赤字を出すだろうと、業界内ではもっぱらの噂です。」

日本では書籍電子化の許諾権は著者にあり、各出版社は今後書籍の電子化が本格化すると見て協会を立ち上げるなどしているが、今後は著者が独自でコンテンツの販売を行ったり、出版社以外と組んでビジネスを行う動きも活発になりそう。