DAC、ブロックチェーン活用による日本初のデジタル広告効果透明化実証実験を開始

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下 DAC)は、次世代取引の技術であるブロックチェーン技術を用いてデジタル広告の効果の透明性を革新的に改善するため、日本アイ・ビー・エム株式会社と連携して、実験プロジェクトを開始することを発表した。
国内インターネット広告市場において、RTB取引が拡大する一方で、DSPとSSP、3PASなどの複数プラットフォームを利用した広告配信実績レポートデータに対する透明性への課題が出始めている。例えば、DSPと3PASの広告配信数は、通信環境やブラウザの設定などの影響でレポートの数値に差異が発生することがあり、その原因を特定することが重要となっている。
透明性を担保するためには、この差異が技術的な要因であるか、他の要因であるかを特定し、解決するためのテクノロジーが求められている。このため、現在は、第三者の計測ベンダーを利用することで判定を行っているが、ベンダー間で測定方法が統一されていないなどの課題がある。
このような状況を根本的・革新的に解決するためDACは、エグゼクティブ・アドバイザーとして馬渕邦美氏(※)を招聘し、日本初の取り組みとしてブロックチェーンを活用した実証実験を開始した。ブロックチェーン基盤には、「IBM Bluemix」のブロックチェーン・サービスを採用している。
DACは自社DSP、SSP、3PASのデータを提供するとともに、これまで培ったアドテクの知見を活かし、本プロジェクトを推進。IBMによるブロックチェーン技術およびそのインフラの提供、また、広告主として株式会社ニューバランス ジャパン、媒体社として株式会社メディアジーンの協力を得て、実証実験を行う。トライアル結果にもとづく改善を積み重ね、今後AI等を活用することにより、業界全体の広告取引の透明化に資するオープンプラットフォームを目指すという。

(※)馬渕 邦美(まぶちくによし):フライシュマンヒラード SVP & Partner、DAC フェロー。
2012年にオグルヴィ・ワン・ジャパン、ネオアットオグルヴィ2社の代表取締役を務めるなど、日本のデジタル・マーケティング業界をリード。2016年より現職。複数企業のアドバイザーを歴任。2016年 日経BP“ブロックチェーンの衝撃”監修者。